日本でYahooニュースなどで話題になっているCOP26にて。
スウェーデンに本拠を置く高級自動車メーカーのボルボですが、上述のCOP26にて
『 ゼロエミッション・カー&バンに関するグラスゴー宣言 』
に署名することを発表しました。
※ほとんどの自動車メーカーはサインしてません
そのボルボの調査によると、
同社の電気自動車である『 C40リチャージ 』の製造工程では、ガソリン版である『 XC40 』に比べて1.7倍の排出ガスが発生すると発表しています。
これはある意味衝撃的な結果です。
かねてより
↓
EVはその製造や廃車の工程において、ガソリン車よりも多くのCO2を排出している
↑
という説が流れていました。
それが、
もっとも環境に対して先進的な取り組みを行う自動車メーカーによって実証された形になります。
ちなみに、
ボルボによれば、自動車の寿命を『 長期的に 』考慮すると損益分岐点が存在するとのこと。
そこを起点に電気自動車の二酸化炭素排出量は、ガソリン車よりも少なくなるのだそうな。
ボルボは実験にて、
・EV
・ガソリン車
それぞれの製造から廃棄までのCO2排出を考慮を算出しています。
内容としては、
①原材料の採掘
②生産工程
③燃料補給
④廃棄
④までの20万キロにおける検証となっています。
また、
ボルボは損益分岐点について
『 発電方法によって異なる 』
と述べています。
・クリーンな太陽光や風力発電
・CO2出しまくりの火力発電
発電方法によって全く結果が異なります。
よってボルボは
①世界の平均的な電力供給方法であるEU28で予測される再生可能エネルギーで供給された場合
②通常の発電方法によって得られた電力で供給された場合
③完全な再生可能エネルギーによって発電・供給された場合
という3つの異なるシナリオについて調査を行うという念の入れようです。
まずは①から。
ガソリン車に比較してCO2排出量は30%となり、損益分岐点は77,248kmとなります。
次に②です。
CO2排出量がガソリン版と同等になるには、109,918kmを走る必要があります。
※これが今のEV業界のリアルだと思います。
最後に③です。
ガソリン車と比較して50%のCO2削減効果を発揮できるといい、48,280kmを超えたところで損益分岐点を迎えることになるそうです。
要は、
EVは無条件に環境に優しいというわけではないということです。
むしろ、
『 それなりに乗り潰して初めて 』
環境に優しいということになります。
あまり距離を走らない場合は
『 EVを購入したとしてもCO2排出量削減に貢献できない 』
という結論に至ります。
参考までに、
ボルボによれば、バッテリーの製造だけで
『 車両製造によって発生するCO2の33%を占める 』
そうです。
ということは、
容量の大きなバッテリーを積むEVほどCO2を大量に発生させているということになります。
それはつまり、
EVは『 出荷される前から二酸化炭素を大量に出している 』となってしまいますね。
世の中、
イメージ戦略で企業の思惑に動かされていることが多々あるという身近な例となります。
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【本日の名言】『 カール・ルイス / 陸上短距離金メダリスト 』
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▼
すべては過程だ。結果ではない
↑
よく、
営業の世界やプロスポーツの世界では結果がすべてということを耳にします。
勿論、それは正しいです。
ただし、
だからといって過程をすっ飛ばして良い訳ではありません。
いきなり、
営業で大型の契約が取れたり、
プロスポーツの世界に入れたりする訳がありません。
過程を重視した結果、
その過程の質如何が結果に繋がります。
そういった意味では、
結果は過程の産物に過ぎませんので、
個人的には大いに賛同できる名言でした。