先日、英国が、

↓

ガソリン 、ディーゼルエンジンを搭載する新車の販売禁止を2030年から2035年に延期する。

↑

と発表しました。

すると今回、欧州連合（EU）が、

↓

複数の自動車メーカーが反発する中、ユーロ7の排出ガス規制を緩和することで合意した。

↑

と発表しました。

大きな変更点は、自動車（乗用車）と（商用）バンは、

　「より厳しい排出ガス規制の対象」

から外され、ユーロ6の試験と排出ガス規制が維持されることです。

事実上、

「異議を唱えた自動車メーカー側の勝利」

と言えます。

※バスや大型車に対する規制はユーロ7が適用され強化される模様

なお、正式決定とはいえ、まだ最終決定ではないことには注意を要します。

EUの輪番議長国であるスペインは、EU閣僚で構成される欧州連合理事会の合意を得るための妥協案を提示することになってはいます。

が、

最終的には、EU理事会、欧州議会、欧州委員会が協議して署名する必要があるそう。

そもそも、2025年に導入予定だったユーロ7。

排ガスに関する規制のほか、自動車の他の側面からの環境汚染物質の低減に重点が置かれています。

その内容としては、

↓

・すでにユーロ6で定められる項目（炭化水素、メタン、窒素化合物など）に関する規制がが2倍～3倍くらいの厳しい数字になる。

・新しく規制項目が（4つほど）盛り込まれる。

・ブレーキやタイヤから排出される粒子状物質の規制が含まれる。

↑

というものです。

この規制に対応することは非常に難しい模様。

対応しようとなると、

「そのコストは、1台あたり最大で5,000ユーロ（約80万円）に達する可能性がある」

そうな。

つまり、自動車の価格が非常に高くなることを意味します。

そして、この「上乗せされる比率」はもともとの価格が安価な小型車ほど大きくなります。

よって、

【自動車メーカー】
・ステランティス
・フォルクスワーゲン
・シュコダ

※普及価格帯のクルマを多く販売している

【国】
・チェコ共和国
・ブルガリア
・ハンガリー
・ポーランド
・ルーマニア
・スロバキア

※所得水準がさほど高くない

【小型車メーカーを抱える国】
・フランス
・イタリア

※EU加盟国

が、このユーロ7の導入に対して強く反対していました。

さらにEUでは2035年にガソリンやディーゼル車の新車販売を禁止する意向を固めています。

（一部例外あり）

その状況の中でユーロ7を導入すると、

↓

・いずれはなくなってしまう内燃機関に対して自動車メーカーはコストを投じて改良しなければならず、大きな負担を強いられる。

・同じコストを投じるのであれば、2035年以降にも環境改善に役立つEVに投資できる環境を作るべき。

・各社ともユーロ7対応にリソースを振り分けると、電動化に遅れが出ることになり、長い目で見た時の環境改善が遅れる。

↑

という声が上がってきます。

兎にも角にも、このユーロ7については様々な批判がなされています。

EUはこれらの声を聞き入れつつ、適切な判断を下したということになりそうです。

※中国車の欧州進出によって、地元自動車メーカーの収益が圧迫されているという現状も考慮していそう。

ちなみに、先日英国が、

「内燃機関禁止を後ろ倒しにする」

と発表した際、すべての自動車メーカーが喜んだかというとそうではなき模様。

たとえばフォードは、

↓

他者に先駆けて2030年の内燃機関禁止にあわせて投資を行い、事業計画を進めてきたのに、この延期によってそのアドバンテージが崩れってしまう。

↑

と主張しており、たしかにこれは、

「もっともな意見」

です。

今回のユーロ7についても同様で、2025年のユーロ7施行に対応すべく、

「もっとも多額の投資を行い、もっとも早く製品の改良を行ってきた」

自動車メーカーの努力がいわば「水の泡」となってしまう可能性。

競争が振り出しに戻ってしまう可能性が出てきています。

（例）
・アストンマーティン
ユーロ7が導入されると「V12は生き残れない」としてV12エンジンの廃止を早々に決定。

・ポルシェ
「これまでと同じ性能を維持しながらユーロ7に対応できる」エンジンを開発。

しかしそういった投資や努力について、不要なことをしてしまったと感じる自動車メーカーも少なくはないはずです。

「政府や各団体の決定に振り回されてばかり」

なのが近年の自動車業界の悩みの種なのかもしれません。

加えて、関税以外の方法にて、欧州が、

「中国車の侵略から欧州自動車メーカーを守る」

方法として、今回のユーロ7緩和を検討したのだとします。

「2035年の内燃機関車販売禁止」

についても緩和、もしくは延期がなされる可能性も否定できません。

となると、今後、一層の混乱が起きることは間違いないかと思われます。

（未来はEVのみと信じ、ガソリン車用の工場を閉鎖したり、ガソリンエンジンの開発を終了させた欧州の自動車メーカーも存在する）
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※再掲

びっくりするような好プレイが、勝ちに結びつくことは少ないです。

確実にこなさないといけないプレイを確実にこなせるチームは強いと思います。
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