TRYVIEW

海外のミリタリー関連の情報やニュースを掲載しています

特殊部隊

KSK ドイツ連邦陸軍特殊作戦師団隷下旅団級特殊部隊

KSK ドイツ連邦陸軍特殊作戦師団隷下旅団級特殊部隊

(Photo from:S’engager Pour La Vie on Instagram: “Militaire allemand du KSK équipé d’un Hk.G36)

Kommando Spezialkräfte (Special Forces Command)は略称KSKと呼ばれる、ドイツ連邦軍の部隊から選抜された特殊部隊。

陸軍の特殊作戦師団(Rapid Forces Division)の元で組織されたエリート特殊部隊で、戦争、偵察、テロ対策、救助や避難、および軍事的なサポートに焦点を合わせて設立された旅団級の特殊部隊です。

バーデン=ヴュルテンベルク州のカルフ、グラフツェッペリン兵舎に通常は配備されています。

その設立にはイギリスの特殊部隊SAS、アメリカ特殊作戦群、および連邦警察のGSG9がモデルとなっています。

その活動内容からKSKはNATO、米国およびその関連企業から多くの受勲や表彰がなされ、2001年からは特に旧ユーゴスラビア、バルカン半島と中東での同時多発テロへの作戦に頻繁に参加しています。

その運営及び作戦内容は軍事機密であり、長い間その作戦内容は公開されていませんでしたが、世論や報道機関、連邦議会の批判から、連邦政府は不朽の自由作戦(略称:OEF)の任務期間の延長と引き換えに、一部情報公開を行うようになりました。(あくまでも一部であり、政府の許可したものだけとなる)

彼らの部隊のモットーは「Facit Omnia Voluntas (lat. The will is decisive)」(決め手は意思)。

 

(Photo from:German KSK operator rocking the Bundeswehrs new camo “Multitarn”)

歴史

KSKは1996年4月1日、4,100万ドイツマルクを提供し、第25空挺旅団(通称:黒い森)を基盤に発足されます。1973年から1996年にいたるKSKの結成までに、西ドイツ(および後のドイツ)政府は全てのテロ対策、および特殊作戦活動をGSG9に割り当てていました。この組織は1972年のミュンヘンで発生した人質事件の直後に創立された高度の訓練を受けた警察内の特殊部隊です。1973年以前は陸軍のFSLK200(長距離偵察部隊)や海軍の戦闘水泳中隊(フロッグマン部隊)、および特殊併記護衛部隊(1989年まで)が特殊部隊と同等の任務を担っていました。1996年のKSKは発足され、翌年の1997年にはKSKの活動の活性化に伴い、一部の偵察部隊を除いて解散、もしくは統合されることとなります。

KSKの設立の具体的な理由は1994年のルワンダでの大量虐殺中にドイツ市民がベルギーの指揮官の元、避難しなければならなかったという事実でした。この任務はベルギーの旧植民地勢力の特殊部隊によって実行されることがNATOとの協議によって決定していました。当時GSG9もゲリラ戦争の状況下での活動を想定しておらず、実行に必要な技術面の不足が浮き彫りになったため、結果的に参加することが出来なかったのです(介入拒否)。この後、NATOとの話し合いが進められ、1994年7月12日の連邦裁判所の判決により、連邦軍によるNATO地域外での軍事活動が許可され、前提条件として連邦議会の承認が必要なものの、軍の活動範囲は広がり、新たな役割の創出、対テロ対策KSKの創立につながる流れとなっていったのです。

KSKは全てのドイツ軍部隊と同様に、配備にはドイツ連邦議会の承認が必要です。部隊はヨーロッと海外の両方で数多くの対テロ活動に従事しています。現在明らかになっている活動には、コソボ、ボスニアヘルツェゴビナ、最近ではアフガニスタンでの作戦が含まれています。2001年からのアフガニスタン紛争中、名目上は不朽の自由作戦の指揮下の元にあったものの、KSKは2005年以降、国際治安支援部隊(略称ISAF)指揮下で任務に従事し、10月の自爆テロの為のアルカイダの武器保管庫への襲撃作戦の成功を含む、ドイツ軍が配備されたカブールの近郊で多くの作戦を実行しました。特定の任務については詳細は極秘とされており、その成功率や犠牲者の数は連邦議会の最高位のメンバーでさえ閲覧を制限されるほどでした。しかしこれらは前述したように、世論から一部開示を求められることに近年はシフトしていきます。

構成

1.組織

・KSKスタッフ

心理的サポート

言語サポート

・スタッフ及び隊員サポート中隊

・第一コマンド―中隊

・第二コマンド―中隊

・第三コマンド―中隊

・第四コマンド―中隊

・特殊コマンド―中隊

・特殊偵察中隊

・通信中隊

・サポート中隊

・補給・ハンドリング小隊

・整備小隊

・パラシュート・エアハンドリング小隊

・医療センター

・研究部門

・開発部門

2.実行作戦部隊

戦闘を実行する部隊は4つの中隊に分かれており、およそ100人の構成となっています。また特殊作戦部隊は通常、ベテラン隊員を配置し様々な支援活動を担っています。4つの中隊はそれぞれ5つの特殊中隊に分かれ、それぞれの適正に応じて独自の活動を行っています。

中隊の構成

・第一小隊:車両部隊

・第二小隊:空挺部隊

・第三小隊:水陸両用作戦部隊

・第四小隊:砂漠、ジャングル、山脈などの特殊な地理や気象を想定した作戦部隊

・第五小隊:偵察、諜報、狙撃、対狙撃作戦部隊

各小隊は4つのコマンド―部隊で構成されており、ドイツ軍から厳選された4人のスペシャリストから成り立っています。各部隊のメンバーはそれぞれ、武器、医療、エンジニア技術、またはコミュニケーションスキルを収めるための特殊な訓練を受けています。一部の部隊は重火器や言語の専門的な訓練を受ける等、その部隊に応じて必要な技術を習得しています。

3. 支援部隊

HQ&サポート中隊はドイツでの補給業務を行っています。

部隊の構成

・HQ小隊

・機器・兵器供給小隊

・梯形部隊

・食料供給部隊

・輸送小隊

・弾薬・給油小隊

通信中隊は3つの小隊に分かれ活動しています。

HQ&サポート中隊は作戦中のKSKのサポートを行い、それらを行うのは大きく分けて3つの部隊となっています。

・修理

・補給

・パラシュート装備

上記のそれぞれの中隊から構成されています。wpX Speed

選抜と訓練

発足当初は、ドイツ連邦軍の将校および下士官のみがKSKへの入隊およびその後の評価期間に応募することができました。入隊の前提条件として、ドイツ連邦軍のコマンドーコース(Einzelkämpferlehrgang)を修了していることが求められています。しかし、2005年からは、民間人や下士官にも、KSKの厳しい選抜プロセスの実地の前に、18ヶ月間の長距離監視訓練サイクルを完了しなければならないという条件付きで募集が開始されました。

KSKの選考は、3週間の肉体的・心理的な訓練(通常は40%の合格率)と、3ヶ月間の肉体的耐久訓練(通常8〜10%の合格率)の2段階に分かれています。

後半では、KSKはドイツに存在する”黒い森”をオペレーター候補のための試験場として使用します。この期間中、候補者は90時間の過酷なクロスカントリーランを行い、その後、ドイツが主導する多国籍特殊作戦訓練センター(旧国際長距離偵察学校)のプフレンドルフで3週間の国際戦闘サバイバルコースを受けなければなりません。

選考を通過した候補者は、KSKでの2~3年のトレーニングを開始することができます。北極圏ではノルウェー、山岳地帯ではオーストリア、砂漠や森林ではテキサス州のエルパソやイスラエル、水陸両用ではサンディエゴ、ジャングルではベリーズなど、世界17カ所以上の訓練施設で約20種類のコースを受けることになります。

2008年5月に発表されたプレスリリースによると、ドイツ連邦軍はKSKの女性への魅力を高めることを目的としている[14]。 これは、KSKがこれまで目標とする兵員数を達成できなかったことが理由のひとつである[15]。 ドイツ連邦軍が2001年にすべての部隊を女性に開放したことで、KSKは男性に限定されなくなり、2021年の時点で、女性はKSKの補助的なポジションを占める形で配置されています。

(Photo from:Der Kommandotrupp)

装備

P8C(P8 Combat)という名称で、HK USP(Universal Self-loading Pistol)が導入され、まずKSKで導入された後、ドイツ連邦軍の標準的なピストルとなりました。

P8に比べ、P8Cにはマニュアルセーフティがありません。

標準仕様のセーフティ&デコッキングレバーは、ここではデコッキングレバーとしてのみ機能しており、別途デコッキングを行う必要がないため、特にパーソナルプロテクションに適しています。

さらに、45口径(11.43mm)のP12(HK USPタクティカルの派生型)、P30、40mmグレネードピストルなど、特殊作戦用に設計された副次的な武器も用意されています。

KSKには、グロック・ピストルやルガーの357マグナム・キャリバーのリボルバーのほか、.22 lfBのキャリバーも配備されています。

特に都市部では、口径4.6×30mmのMP7(PDW)やHK MP5のバリエーションが使用されており、一般的な防弾チョッキよりも貫通力が向上しています。

さらに、サブマシンガン「UMP」を配備しています。

1996年、KSKはドイツ連邦軍の最初の部隊として、改造とアップグレードを含む新型G36アサルトライフルを配備しました。

AG36グレネードランチャー(銃身の下の主武器にアクセサリーとして装着)、G36KA1およびG36KA2。

HK G3もまだまだ現役です。

また、HK416だけでなく、G27(HK417)も使用されており、信頼性と手軽さから、特に特殊作戦部隊に適しています。

ここにもAG36グレネードランチャーを装着することで、より高い火力を発揮することができます。

2005年からは短縮型のG36Cが採用されています。

コマンド部隊は、MG3、MG4、MG5、G8(HK21)機関銃を、より長距離を移動するための携帯支援武器として活用しています。

車両用にはブローニングM2が使用されています。

KSKは、国内の歩兵戦闘では、特にレミントン870タイプのフォアエンド・リピーティング・ライフルを使用していますが、これは戦闘用水泳選手と、犯罪者を襲撃する前の憲兵のみが使用するものです。

これらの武器は、使用する弾薬やターゲットの性質によっては、ドアや壁を貫通します。

KSKのスナイパーには、SFORの部隊と同様に、口径7.62×67mm(.300ウィンチェスター・マグナム)のG22が支給されており、1997年以降、G22という呼称で若干の改造を施し、1,100mまでの距離に対応する本格的な狙撃武器として導入されています。

また、ヘッケラー&コッホ社から輸入された大口径のM107も使用されており、技術的に承認された上でドイツ連邦軍に納入され、G82と命名されます。

アメリカのM2HBなどの重機関銃が通常発射する歩兵用武器としては最大の口径12.7×99mm(.50BMG)を採用。有効射程距離1,800メートルのこの兵器は、通常の用途に加えて、レーダー皿やアンテナ、通信施設、ミサイルサイトなど、いわゆる「ハードターゲット」を巻き込んで無力化するのにも適しています(直接ミサイルに向けて発射します)。

より短距離で、適切な弾薬を使用すれば、建物の裏に隠れている的もカバー(カバー・ペネトレート・ウェポン・エフェクト)を介して交戦することができます。

ドイツ連邦軍はこの武器を「遠距離と技術的な目標に対してのライフル」と表現しています。

これらのスナイパーライフルに加えて、ドイツ連邦軍はアキュラシーインターナショナル社からAW50とAWSを数丁調達。

G25、G24と名付けられた12.7×99mmと7.62×51mmのライフルは、ドイツ連邦内では特殊部隊のみで使用されています。

さらにKSKでは、対戦車システム「Panzerabwehrwaffe MILAN」、「Panzerfaust 3」、「Fla-System Fliegerfaust 2 Stinger」が配備されました。

最初の導入として、KSKのために、偵察戦闘車(AGF)とも呼ばれる新型のサーバル運用車両が調達され、この車両は無防備のため、車両の武装には、アメリカのブローニングM2機関銃(口径12.7×99mm)と、ヘッケラー&コッホ社が開発したグレネードマシンガン(口径40×53mm)が導入されます。

2016年には、特殊部隊司令部のために49台のProtected Vehicle LAPV Enok 6.1型を取得しており、装甲や積載量の向上により許容総重量は6.1トンとなりました。

KSKには、スウェーデンのメーカーHägglundの多目的四輪車Bv 206、ヤマハATV(All Terrain Vehicle)KODIAC 4×4 Quadタイプの四輪車、KTM 640 LC 4タイプのバイク(エンデューロ)が配備されています。

冬季の活動には、Bombardier SkidooのスノーモービルLYNX GLX 5900 FC/E Armyが使用されます。

火力支援のために、ヴィーゼル1およびヴィーゼル2タイプの装甲武器運搬車も、任務に応じて、対戦車(TOW)や120mm迫撃砲バージョンのように、師団がKSKに割り当てることができるようになっています。

水陸両用列車には、カヤックやインフレータブルボート、RHIBボートなどが装備されました。

2013年7月11日、連邦国防省とユーロコプター社は、特殊部隊司令部向けにEC645 T2小型ヘリコプター15機の契約を締結し、同機は2015年末から2017年半ばにかけて同部隊に納入されます。総額は1億9,400万ユーロにのぼり、ヘリコプターだけでなく、KSKの要求に応じた装備品も提供しました。

EC645 T2 LUHは、フルナイトビジョン機能を備えたデジタルコックピットとオートパイロットを搭載しています。特殊部隊の演習では、2つの大きなスライド式サイドドアとダブルリアドアを備えた広々としたキャビンの恩恵を受けることができます。装備パッケージには、アブザイレン装置と外部貨物フックも含まれています。その他、搭載された武装や、偵察用の電気光学システムなども装備されています。自己保護システムと装甲板が乗員をより強固に保護してくれます。最大離陸重量は3.7トン。エアバスA400Mで戦略的に移設され、荷降ろし後すぐに使用することができるようになりました。

このヘリコプターと乗組員は、ラウプハイムにあるドイツ空軍のヘリコプター第64飛行隊の指揮下に置かれますが、KSKと海軍特殊部隊司令部(KSM)が独占的に使用することになっています。

歴代指揮官

1996-1998: フレッド・シュルツ准将
1998年~2000年:ハンス-ハインリッヒ・ディーター准将
2000年~2003年:ラインハルト・ギュンツェル准将
2003年~2005年:カール・ヒューベルトゥス・フォン・バトラー准将
2005年~2007年:ライナー・ハートブロッド准将
2007年~2010年:ハンス-クリストフ・アモン准将
2010年~2013年:ハインツ・ヨーゼフ・フェルドマン准将
2013年~2017年:ダグ・クヌート・ベアー准将*。
2017-2018年:アレクサンダー・ソルフランク准将
2018年~現在:マルクス・クライトマイヤー准将

記章

(Photo from:Kommando Spezialkräfte

ビジネスでのサイト運用に最適!月額290円(税別)からの「Z.com 高速レンタルサーバー」

出典:Kommando Spezialkräfte

出典:Kommando Spezialkräfte

出典:S’engager Pour La Vie on Instagram: “Militaire allemand du KSK équipé d’un Hk.G36

出典:German KSK operator rocking the Bundeswehrs new camo “Multitarn”

出典:KSK – Kommando Spezialkräfte German Special Forces

出典:Der Kommandotrupp

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です