(Photo from:Members of the “Kaibiles” special forces march during a military parade marking the 151st anniversary of the Army, on the streets of Guatemala City, Sunday, June 26, 2022.)
カイビレス(もしくはカイビル:記事内ではカイビルにて以降は記載)とは、グアテマラ国軍の特殊作戦部隊。
ジャングル戦、特殊作戦や諜報活動、現在ではテロ犯罪に対する作戦を遂行するために訓練されています。
1974年以来、1,250人以上の兵士が、8週間の国際訓練プログラムを修了。
このうち85%がグアテマラ人兵士となっています。
その他、アメリカ、チリ、中国、スペイン、アルゼンチン、ペルー、メキシコ、ホンジュラスなどさまざまな国の外国人軍人が参加しています。
国連の要請により、リベリア、コンゴ、ハイチ、ネパール、コートジボワールなどの平和ミッションにカイビル2個中隊が参加しています。
2007年には、コンゴで8人の隊員が戦闘で死亡しています。
隊員はマルーンカラーのベレー帽に燃え盛る剣のワッペンを付けて、正規軍と区別されています。
カイビルとは、マム語で「2頭のジャガーのような強さと狡猾さを持つ者」を意味する言葉です。
アンリ・ド・ラ・ロシュジャケレインにヒントを得たモットーは、
「もし私が前進するなら、ついてこい。もし私が留まるなら、励まして前進させてくれ。もし私が退却するならば、私を殺せ」お名前.com
歴史
グアテマラ緊急作戦センターは、1974年12月5日、当時の歩兵少佐パブロ・ヌイラ・ハブの主導で設立されました。
彼は冷戦時代の脅威から、軍隊に提供する特殊部隊の訓練と創設を国防省に提案しました。
1975年3月5日、グアテマラ国防省の命令により、創設された軍隊学校は「カイビル」訓練・特殊作戦学校と改名されました。
カイビル・バラムは、ペドロ・デ・アルバラド率いるスペイン征服軍に捕らえられなかったマヤ帝国の王で、カイビルの由来となっています。
1989年1月12日、ペテン州メルチョール・デ・メンコス自治体のエル・インフィエルノ農場とラ・ポルボラ農場の「カイビル」訓練・特殊作戦学校から、グアテマラ北部のペテン州ポプトゥンに拠点を置く軍事地帯23番地の旧施設に移動しました。
グアテマラ内戦。
グアテマラ政府とグアテマラ民族革命連合の間で和平協定が結ばれた直後の1996年12月、グアテマラのアルバロ・エンリケ・アルス・イリゴージェン大統領は、カイビルを平時にも維持する意向を示しました。
そしてその中で麻薬と組織犯罪に対抗する新たな使命を帯びることになりました。
また和平協定の締結後は、グアテマラ軍は突然15,000人にまで減らされてしまいます。
グアテマラ退役軍人協会のメンバーであるエクトル・ロサレス大佐は、グアテマラ軍の動員解除に伴い、多くの将校が「突然」失業することになったと述べています。
その為、政府の経済的な生活への救済的な計画がない事もあり、大多数は民間警備会社の一員となり、ごく一部は違法行為に関与するようになりました。
2007年から2010年にかけて、米国の特殊部隊「グリーンベレー」の隊員が両国間の協定の一環として、グアテマラのカイビルの訓練を始動しました。
グアテマラ軍のスポークスマンであるロニー・ウリサール氏によると、訓練はテロ対策から始まり、小部隊での戦闘、そして最後に麻薬犯罪への対策が行われたといいます。
また、空からの攻撃作戦、狙撃訓練、爆発物を使った奇襲作戦などの演習が行われています。
現在までに、オーストラリア、フランス、ブラジルなどの外国軍から「キリングマシン」と呼ばれるほど、過酷な訓練と非正規のテリトリーでの戦闘戦術が世界的に評価されています。Xserverビジネス
(Photo from:US Navy 100906-N-4153W-049 Marines train with Guatemala Kaibil Special Forces)
選抜と訓練
カイビルは、ペテン州メルチョール・デ・メンコス市ラ・ポルボラ村の熱帯雨林の中にある、昆虫がたくさんいることからそう呼ばれる「エル・インフィエルノ」という集落で訓練を受けています。
1989年以来、カイビル校はグアテマラシティの北400kmにあるペテン州ポプトゥンに特殊部隊(旅団)として設置されています。
非常に厳しい環境の中で8週間にわたりサバイバル訓練を受けます。
訓練を通してあらゆる困難や不都合を克服するための肉体的・精神的な強さ、そして揺るぎない精神的な強さも求められます。
この訓練は高い公理性を有し、すべての訓練の事項に意味を成すものとされています。
8週間の間、トレーニングは寝ている間、昼、朝、と時間が沸けられているわけではありません。
朝2時に起こされて、体力的に耐えられなくなるまで運動や訓練をすることもあります。
訓練のたびに、「精神は肉体を支配する」という非常に有名な言葉が試されるのです。
カイビルになるには、3つの段階があります。
第1段階は、21日間の理論的な指導と実践的な訓練で、候補者の軍事的精神と道徳的なレベルが測定されるコースです。
第2段階は28日間ジャングルで行われ、厳しい訓練を終えたカイビルは、非正規戦で巧みに行動する方法を学びます。
この段階で川や沼地、崖を渡り、解体作業を行い、地雷を探知して解除することができるようにならなければなりません。
最終段階では、蛇や蟻、根を食べ、葉の露で水を得ることに慣れた彼らは殲滅攻撃、諜報活動、敵地への侵入、空からの補給を実行する能力を身につけて行きます。
カイビルのトレーニングセンターを「エル・インフィエルノ(地獄)」と呼ぶのは、38℃の気温と強烈な湿度で、多くの志願者が諦めてしまうからだそうです。wpX Speed
(Photo from:Are Guatemalan Kaibiles Hired Guns for Canadian Mining?)
論争と苦悩
メキシコの麻薬カルテル
2005年9月、ホアキン・グスマン・ロエラが率いるメキシコのシナロア・カルテルに仕えていた元カイビル4人が捕まりました。
彼らはメキシコの麻薬カルテルに仕えていたことを告白。
同年9月10日、逮捕後の声明でロス・セタスのメンバーはカイビルを採用し、グアテマラから武器と手榴弾を供給していると述べました。
2013年、メキシコのタマウリパス州で麻薬密売組織ロス・セタスの他のメンバー4人を逮捕した際に、彼らを尋問したDEA捜査官によると、カイビルのロス・セタスがいたという。
ロス・セタスは現在、グアテマラ軍の現役を退いた後のカイビルを、メキシコの麻薬密売組織に傭兵として売り込むことを目的に多数の構成員を持つとされています。
グアテマラ軍当局は、麻薬密売に従事する元カイビルの数は非常に少ないと考えています。
しかしメキシコ司法長官事務所(PGR)は2005年9月、約30人の元カイビルのグループが、新たに雇われた暗殺者(シカリオ)を訓練していると報告しました。
人権問題
アムネスティ・インターナショナルは、カイビルによって行われた人権侵害の報告を複数記録しています。
2005年末、少なくとも2人の元カイビルは、メキシコのロス・セタスと呼ばれる麻薬密売組織とつながって、2001年に軍を脱走。
この麻薬密売組織に仕えているカイビルの数は現在未確定です。
米州人権裁判所における「ラス・ドス・エレス対グアテマラ虐殺事件」では、この虐殺がカイビルによって行われたことが立証されています。お名前.com
(Photo from:FORMACION DE KAIBILES)
部隊構成とエンブレム
1998年12月、ジェーン誌は、カイビルには3つのグループがあり、1つは教官からなり、2つはそれぞれ162人のコマンドーから構成されていると報じました。
各グループは4つの38人の小隊に分けられ、さらに9人の兵士からなる分隊に細分化されているとされます。
エンブレムは、登山用のカラビナで結合と力を表し、中央にある短剣は名誉を表し、そのグリップは兵士の五感を意味する5つのノッチになっている。
カラビナを分断するロープは地上作戦を象徴しています。
黒色は、カイビルが戦闘を行う際の静寂と、夜間作戦を象徴しており、上部の青色は空、海、昼間の作戦を象徴しています。Xserverビジネス
(Photo from:Tropas de élite guatemaltecas combatirán a los carteles en la frontera con México)
出典:Guatemalan Kaibiles Hired Guns for Canadian Mining?
出典:Kaibiles
出典:US Navy 100906-N-4153W-049 Marines train with Guatemala Kaibil Special Forces
出典:Kaibil
出典:Tropas de élite guatemaltecas combatirán a los carteles en la frontera con México