テスラのブランド戦略

テスラはサイバートラックの納車をようやく開始しています。

ただし、その価格は当初約束していたよりもかなり高く、200万台と言われる予約数に比較すると生産台数も非常に少ない模様。

(生産が軌道に乗ったとしても年産25万台程度)

よってテスラ自身も、

「業績に大きなインパクトを与えることはないだろう」

とコメントしているほどです。

しかし今回、米ビジネス系メディアがそういった状況に対し、

「テスラが意図的に作り上げたものである」

と指摘しています。

今回、その指摘を行っているのは米ビジネスインサイダーです。

それによると、

「テスラはフェラーリやアップルと同じ手法を用いている」

のだそう。

一体、どういうことなのか?

(アップルの場合は結果的にそうなったといった方が正しい)

フェラーリは意図的に生産台数を、

「需要よりも少なく制限」

することで市場の飢餓感を煽っています。

これによって、

「高い価格で長い期間に渡りその製品を販売できる状況を作り出している」

ことで知られています。

テスラもまた意図的にサイバートラックの生産を絞ることで、

「欲しくても手に入らない」

という状況を再現しようとしているという指摘を行なっています。

そして、アップルについては「iPhone X」発売の際の現象を引き合いに出しています。

発売当時、高機能がゆえに高価になってしまい、さらには使用される技術レベルも高かったために生産が追いつかずに品薄になっていました。

それが結果的にハングリーマーケットを形成し、

・iPhone Xは高価で入手困難
・容易に生産できないほど高度な技術が盛り込まれた製品

という印象を消費者に与えていまひた。

それがアップルにとって、

「高価な製品が受け入れられるきっかけになった」

のだと説明しています。

そして、これらの状況は現在のサイバートラックの事情に酷似しています。

イーロン・マスクCEOはサイバートラックについて度々、

「製造が非常に難しい」

と述べてきています。

そこには高度な技術が使用されていることにも言及しており、開発が困難を極めたことについては、

「墓穴を掘った」

という自虐コメントまで発しています。

実際、これら一連の言動によって市場は、

・製造に用いられる技術は想像よりもずっと高いレベルにある
・高くなっても仕方がない
・生産台数が非常に限られている

といった認識を持つことになったと言っても過言ではありません。

これらすべてが、

「イーロン・マスクCEOがサイバートラックの価値を高めるために計画的に行ったもの」

というのがビジネスインサイダーの見立てです。

これについては、ちょっと飛躍した推論であるようにも思えます。

ただし、これまで消費者や評論家、カーメディア、アナリストまでもがイーロン・マスクCEOに翻弄されてきています。

ある意味では利用されてきただけに、

「もしかすると本当にそうなのかもしれない」

という気がしなくもないです。
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【本日の名言】『 アンドリュー・ジョンソン / 第17代 アメリカ大統領 』

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