EV<ハイブリッド

ここ数年は、

・コロナウイルスのパンデミック
・ロシアのウクライナ侵攻

などによって、

・サプライチェーンが混乱
・エネルギー価格、素材、パーツ価格が上昇

それでも部品が不足するということから新車が足りなくなることになっています。

この現象は新車価格の上昇だけにとどまっていません。

中古相場の高騰を引き起こし、同じ原因によって同時多発的に発生したインフレと金利の上昇がさらに状況を悪くしています。

そのため、ここ数年の自動車の販売状況は大混乱の様相を呈しています。

今回、「2024年の予想」が公開され、概ね市場は安定傾向に向かうであろうという予測が出されています。

この予想を出したのは米自動車ポータルサイト「エドモンズ」です。

2024年の新車販売は比較的安定し、1,570万台が販売されると算出しています。

(2023年の新車販売台数1,550万台という予想から1%増加)

1%増加の中で、

「伸びる勢力もあれば、そうでない勢力」

もあるそうな。

エドモンズがもっとも拡大すると見る車種は、

「ハイブリッド」

でした。

同社はまず、

「EVの販売は完全に減速している」

と結論づけています。

しかしEVを化車両への興味が失われたわけではなく、EVの代替としてハイブリッドが選ばれるようになっていくとのこと。

2023年11月では前年の4.9%から9.7%へと新車販売におけるシェアが倍増したことについても言及しています。

なお、このEVの販売減速については米国のみならず欧州でも大きな問題として報じられています。

EVを「買わない」2大理由である、

・高価
・航続距離が短い

という懸念を解決できる選択肢が、

「ハイブリッド」

ということになり、多くの人が最初に購入する電動化車両として、EVではなくハイブリッドを選ぶようになっているのだとしています。

2023年は大量のEVが登場しています。

そしてニュースとなることで、多くの消費者の目がEVに向くことになったのだと思われるものの、いかんせん、

「高く、航続距離が短い」

ということから購入を諦めている可能性があります。

皮肉にも、

「EVによって電動化車両に興味を持った人々が、EVを買わずにハイブリッドカーを購入している」

という構図ができあがってしまっていると考えます。

加えてエドモンズはEVが市場に与えるインパクトについても補足しており、それは「ブランドロイヤルティの変化」です。

これは、

「そのブランドをまた買うかどうか」

という指数によって表されるブランドへの忠誠心です。

2023年にEVを購入したオーナーの13%が高級車を下取りに入れており、これは全パワートレーン含む自動車業界の「倍」の数字です。

加えて下取りを伴うEV購入者の59%が他ブランドからの移行です。

下取りを伴わないEV購入者の48%が競合他社のクルマではなくそのEVを選択しているとされてもいます。

これらが意味するところは、

・高額所得者が高級ガソリン車を下取りに入れてEVを購入している
・今まで乗っていたお気に入りブランドであっても、そこがEVを持たなければ(あるいはEVを持っていても魅力的でなければ)別ブランドのEVを購入している

つまり自動車メーカーにとっては、

・魅力的なEVを持っていないと他社に顧客を奪われてしまう
・しかしEVを投入しても売れるかどうか分からず、なかなか注力できない

ということになてしまいます。

よって、

「投資額がまだ(EVに比較して)大きくはなく、失敗する可能性が小さい」

ハイブリッドに注力するということになるのかもしれないと推測します。

そうなると、EV参入そのものにブレーキが掛かる可能性も考えられます。

EV市場においては、すでにEV事業で黒字化を達成しているテスラとBYDの存在感がより強くなる可能性が濃厚になるなと推測します。
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【本日の名言】『 バラク・オバマ / 第44代 アメリカ大統領 』

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アメリカは「彼がやってくれるさ(yes he will)」という国ではない。

「私たちがやる(yes we can)」という国なのだ
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