トヨタのEV計画は見通しが甘かったのだろうか?

先日、

・1台あたりの利益がテスラの1/8
・EV計画の見直しを迫られている

と報じられたトヨタですが、
今回は事情に詳しい筋からの情報だとして、

『来年初めに、サプライヤーに対し、新しい戦略を説明する予定』

だと伝えられています。

この新しい戦略については勿論、

・テスラ
・BYD(中国の自動車メーカー)

などの脅威に対抗するためのものです。

そして、
内容は2026年までのEV計画の変更を伝えるものだとされています。
(理解と協力を仰ぐ類のものだと予想)

なお、
トヨタはこれまでマルチパワートレーン戦略と称し、

『ピュアエレクトリックカーは、消費者が求めている選択肢ではない』

という前提のもと、

・ハイブリッド
・水素
・ガソリンオンリー

という選択肢を消費者に提供することによって消費者の利便性を図ろうとしてきました。

が、
時代はトヨタの想定とは異なって『エレクトリック志向』が強まっており、多くの消費者が『EV購入』を考えていると言われています。

ちなみにこの状況においても、

『トヨタディーラーの生の声として、顧客がEVを欲しがっているという話は聞かない』

と報じられているものの、
それはトヨタに

・EVラインアップが少ない
・唯一のEVであるbZ4Xの魅力が乏しい

ためであり、
そもそもEVを欲しがる人がトヨタディーラーを訪れないからではと感じます。

ちなみに、
豊田章男社長は

『急激なEVへの移行は、これまでガソリン車に対応するパーツを製造してきたサプライヤーの仕事を奪ってしまい、自動車業界の雇用が失われる』

とも述べていますが、
このままだとトヨタにおける生産台数が大きく減少し、
どのみちサプライヤーの仕事が激減するんじゃないかとも考えたりします。

そうなると、トヨタはサプライヤーへの恩を仇で返すことになってしまいそうでもあります。

そこでトヨタは、

『最悪の事態に陥らないよう』

早めに手を打とうと考えてミーティングを開催に至ったのだと推測します。

この『新しい計画』の骨子は、
EV計画を推進するとかそういったものではなく、『EVコスト引き下げ』にあるのだと思われます。

実際問題として、
トヨタbZ4Xが売れていないのは、テスラに比べて

・パワーが無い
・効率が悪い(航続距離が短い)
・高い

という三重苦を背負っているためだと言われます。

その価格の高さにもかかわらず、bZ4Xは『儲からないクルマ』という評価を頂戴してしまっていることになります。

そしてその根本原因は、
bZ4XやレクサスRZに採用される

『 e-TNGA 』

というプラットフォームにあると言われています。

トヨタは、

『コストをかけて開発したe-TNGAを捨ててでも、新しい、且つ、コストが低い新型EV用プラットフォームを開発すべきである』

という結論に達しつつあるとも報道されています。

この結論はもっとも過激なものです。

仮にe-TNGAを捨てて新しいプラットフォームを開発するとなると実用化までには3年の歳月を要します。

要は、
以前に計画していたEVの発売ができない、もしくは遅れることになるのは確定的です。

この結論を出すために、今回サプライヤーを集めて意見を聞き、再度協議するのかもしれません。

なお、今回の会合はグローバル規模で行われるといわれています。

これは、
コロナウイルスのパンデミック以降はじめてのことらしく、いかに現在の状況が深刻であるかが垣間見れます。

なお、
テスラがトヨタの8倍も利益が出る会社となった理由としては、

『 テスラが常にコスト改善と生産効率の向上に焦点を当ててきたから 』

だとされています。

トヨタがテスラの真意を見抜けなかったのは失策だと捉えていいのかもしれません。
(トヨタはかつてテスラと提携していましたが、テスラから学ぶことは何もないとして提携を解消している)

参考までに、
少し前に報じられた内容だと、トヨタは『3段階に分けてEV戦略の見直しを行う』のだそう。

■第一弾、
すでに計画済みのEVは一部のプロジェクトを中断し、
新しく組織したワーキンググループにて、EV市場におけるコストパフォーマンスと技術レベルを向上させること。

EVプラットフォーム『e-TNGA』の後継車種の検討を含め、トヨタのEVへのアプローチを改善する計画の概要を示す役割を担っているとされています。

■第二弾
トヨタがe-TNGAプラットフォームをベースとしたモデルを開発するであろう今後数年間を対象として、
計画の縮小や変更が含めて、この修正案が今回サプライヤーに対して説明されるものだと見られています。

■第三段
e-TNGAを廃止すること。
e-TNGA自体は現在のトヨタの世界販売倍数の1/3に相当する、年間350万台規模の生産を想定して設計されたものです。

上述の通りコストが高く、安価なEVが多数登場している中で競争力を発揮できるものではないことが確定しています。

これを廃止してコストの安い新プラットフォームに入れ替えなければ、そもそも『年間350万台』のEVを販売することなど『夢のまた夢』ということになります。

なお、
量産される工業製品において、

『 コストがかかっているから、手がかかった良い製品である 』

というのは間違いで、
現代においてコストがかかっているというのは、

『 時代遅れで効率が悪い 』

とほぼ同義だと捉えられる傾向にあるようです。

つまり、

・設計技術の低さ
・製造工程の複雑さ、
・信頼性の欠如
・修理コストの増加

を意味しており、

『 コストがかかっている 』

と主張することは同時に

『 この製品は技術レベルが低い 』

と主張するのと同じと捉えることができるかもしれません。

※あくまでもトヨタのような量販を目的とした場合です
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【本日の名言】『 不明 / 中国の名言 』

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雨垂れ石を穿つ

水滴も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味です。

要は『継続は力なり』ということですね。

個人的には好きな言葉です。
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