テスラが年初の小売価格引き下げに続き、モデルXとモデルSの価格を再び大幅に引き下げました。 今回、値下げ対象となったのはハイパフォーマンスモデルである、
・モデルX プレッド（138,990ドル）
・モデルS プレッド（135,990ドル）
です。
上記の価格が現在は『109,990ドル』という設定に変更されています。
両車とも1,000馬力を超えるクルマですが、1,000馬力超えのクルマとしては破格の安さとなっています。
（以前から最も安価な1,000馬力カーではあった）
今回の値下げによって購入検討する人が多数出てくるかもしれません。
ちなみに、現時点ではモデルSとモデルXの生産量は非常に少ないです。
（納車期間が長かった）
その理由については不明ではあります。
が、今回値下げを行ったということは、
『増産の準備が整った』
と考えてよく、テスラはここからさらに受注を積み上げることになると思われます。
通常、値下げを行うと、
・売れていないから
・利益を圧迫してしまう
というネガティブな方向に取られることがほとんでです。
しかし、テスラの場合、
・値下げ幅以上にコストを改善している
・値下げによって競争力を確保できている
・市場を制圧できる可能性が高くなる
という理由にて、市場にポジティブに受け止められています。
実際、値下げ以降はその株価がおよそ『倍』にまで上昇しています。
実際、テスラの値下げ以降、多くのEVメーカーがテスラの値下げに追随しています。
ただし、その他のEVメーカーはまだ事業を開始したばかりです。
よって、『黒字転換』できておらず、値下げによって多くの利益を失う可能性が高いです。
場合によっては撤退を余儀なくされるという見方もあるぐらいのインパクトです。
ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは以前、こうした大規模な値下げに以下の警告を発しています。
↓
電気自動車の価格競争は、事業を開始したばかりの今、業界にとって最良のことではないと思います。
なぜなら、私たちは投資をしなければならないので、電気自動車のマージンを生み出さなければならないからです。
そうでなければ、これは業界にとって非常に健全なビジネスにはならないでしょう。
↑
ただし、このコメントには少し違和感があります。
・テスラ＝投資した資金をすでに回収している
・他メーカー＝資金を回収できていない
こういった状態なので、現時点での値下げが自らの首を締めるだけの結果となってしまうということは理解できます。
しかし、テスラはリスクを恐れずに他社に先駆けて投資を行い、その結果として先行者利益を享受しています。
そのテスラに対して、『健全ではない』というのは不公平でしかないなと感じます。
なお、今回の値下げによって打撃を受けそうなのはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったジャーマンスリーです。
ジャーマンスリーはテスラ・モデルS、そしてモデルXと競合しそうなラインアップを持っているためです。
少なくとも今回の値下げによるなんらかの影響はあると考えます。
ただ、ジャーマンスリーが値下げを行うかというとそれは『考えにくい』です。
というのも、ジャーマンスリーは1台あたりの利益を非常に重要視しているためです。
ここで自らの利益を削ってまで販売台数の確保に走るのは、株主の利益保護の観点からも、まずないかもしれません。
今年に入っても話題に事欠かないテスラ。
自動車業界の新しいスタンダードを築きそうな勢いなので、引き続き、観察していく必要がありそうです。
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【本日の名言】『 ピーター・ドラッカー / 経済学者 』
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知識ある者は、理解されるよう努力する責任がある。
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