トヨタの逆襲

これまで、なにかとEVに関する出遅れが指摘されてきたのがトヨタです。

「対応が遅れた」

ばっかりに中国の低価格EVとの競合を避けることができ、フォルクスワーゲンやルノーが直面した「大打撃」を被ることなく、むしろ「過去最高益」を記録しています。

この「過去最高益」については為替の影響などもあります。

ただし、ハイブリッド車の販売が増加したことが大きな要因であることは間違いありません。

「BEVよりもハイブリッド」

と言い続けてきたトヨタの読み勝ちということなのかもしれません。

そしてトヨタは、ライバルがテスラや中国製EVという大きな壁に阻まれて思うように販売を伸ばせない状況を見て、ダメージが小さいうちに自社のEV計画をリセットし、

「2026年に再出発」

できるように目標を再設定すると発表したのは記憶に新しいところです。

(もちろんEVの投入も行う)

そして今回トヨタが発表したのが、

「BEV向けバッテリー製造工場に対する巨額の追加投資」

です。

これはトヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)へと追加で80億ドルの巨額投資を行うというものです。

この投資により、同施設では3,000人の新規雇用が創出され、トヨタの投資総額は合計で約139億ドルに増加することになります。

このTBMNCはハイブリッド車とEV両方の生産に対応します。

既存の2つの生産ラインのほかにも8つの生産ラインが追加されます。

さらには通常のハイブリッド車用のバッテリーラインも4ラインが新たに設けられるのだそうな。

この最新の投資は、トヨタが最近発表したバッテリー技術ロードマップに続くものとなっています。

これは2027年には航続距離1,000km超、充電時間10分を可能にするソリッドステート・バッテリーが完成するというものです。

トヨタは今から「EVの大量販売に向け」大きく弾みをつけるということになそうです。

ただし、トヨタの「新世代EV」が市場投入されるであろう2026年には、EV市場における勢力図が決定している可能性もあります。

そこにトヨタが入り込む余地はないかもしれず、その意味では今回のトヨタの投資も大きな効果を産まないことになる可能性もなくはないなと感じます。

そして、トヨタとは対象的なニュースも流れており、それは、
「フォルクスワーゲンがバッテリー工場計画の一部を中断する」

というものです。

その理由は先般から報じられる、

「EV需要の伸び悩み」

です。

想定よりもEVが売れないため、フォルクスワーゲンは工場を建設してもモトが取れないと判断した模様。

具体的にはチェコに建設予定であった工場の建設を見送ったのだそう。

チェコはフォルクスワーゲンの決定を受けてこの用地を「他の投資家へと売りに出す」ことにしたとも報じられています。

フォルクスワーゲンは2022年7月に、

「欧州におけるバッテリー工場を、2030年までに6つへと増加させる」

という計画を公表しています。

が、最新の計画では2つに縮小されており、この2つにあわせてカナダに建設する「合計3つ」にて今後対応することになる模様。

それだけ、

「EVが予想よりも売れていない」

というのは衝撃でもあります。
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