近年、話題となっているのが中国車のデザイン性の向上です。
既に、
一部自動車メーカーでは脱コピーを図って独自のデザインを行い、高い評価を得ている模様です。
実際のところ、
・マクラーレン
・BMW
・ピニンファリーナ
上記メーカーにて、
デザイナーを務めたフランク・ステファンソン氏も
『最近の中国車のデザインは侮れない』
という動画を自身のYoutubeチャンネルへと公開しています。
そこで気になるのが
『なぜ中国の自動車メーカーは急速にデザイン性を向上させたのか』
ということですね。
その答えの一つが、
・欧州自動車メーカーの著名デザイナーを引き抜いているから
・著名デザイン事務所にデザインを依頼しているから
というものです。
デザイナーの引き抜きで話題となったのは、
ロールス・ロイスにて長年チーフデザイナーを努めてきたジャイルズ・テイラー氏を引き抜いた紅旗です。
この紅旗はデザイナーのみではなく、
フェラーリやランボルギーニからも重役を引き抜いたことでも知られています。
そして中国のテックルールズ、
その他の多くの中国自動車メーカーは、
・イタルデザイン
・ジウジアーロ
などのデザインハウスにデザインを委託していることが報じられています。
ただしこういった、
『多くの人が知っているデザイナー』
を引き抜いたりせずとも、
各自動車メーカーに務めていた『中堅クラス』のデザイナーも多く中国の自動車メーカーに流れています。
近年の自動車デザインは、
チーフデザイナー1人の意向によって決まるものではありません。
世界各地の支社やデザイン拠点のアイデアをミックスさせることが主流です。
よって、
『誰の作品』
だと言うことが難しくなっています。
なぜ、
多くのデザイナーが中国の自動車メーカーに移籍するのか？
もちろん『お金』という理由もあるかもしれません。
ただし、
もしかすると大きな理由は「クリエイティビティの発揮』に関係している可能性もなきにしもあらずです。
上述の通り、
現代の自動車は
『世界各地で売れるよう、各地の意見を寄せ集めて作ったもの』
です。
たとえば、
・フロントは北米のデザイン案
・リアは欧州案
・ディティールは日本案
といったぐあいにミックスされることもあります。
そうなるとデザイナーの意向の多くは無視されてしまいます。
・ブランドのヘリテージ
・製造コスト
・マーケティング
といった具合に、
商業的要素に寄ってどんどん日和ったデザインになってしまいます。
結果的にできたものは
『誰のデザインとも言えないシロモノ』
になってしまうのかもしれません。
ちなみに、
ランボルギーニ（カウンタック）をデザインしたマルチェロ・ガンディーニ氏が分かりやすい例です。
ブガッティEB110のフロントに、
ブガッティ伝統のホースシューグリルを付けるか付けないかでモメて途中でデザイナーを降板しています。
また、
クライスラー傘下にてデザインしたランボルギーニ・ディアブロでも同様の問題が生じています。
もともとデザイナーという人々は、
ほかの人々に比べて美意識が高く、且つ、自己表現意欲も強いと考えられます。
（あくまでも私見です）
そういったデザイナーたちにとって、
『偉い人』
から、
デザインをこうしろああしろと言われるのは自身を否定されているように感じる様な気がしなくもありません。
ただ、
中国にせよ、韓国（ヒョンデ）にせよ、
デザイナーに与える自由度はかなり高いと言われています。
つまり、
会社は『カネは出すが口を出さない』傾向にあるものと思われます。
それは、
後発ということをよく理解しており、
技術よりも見た目での差別化が有効だと考えている可能性もありそうです。
中国の自動車メーカーはデザインに対して非常に重きを置いており、且つ、デザイナーに対して大きな裁量を与えているのだとも想像できます。
つまり、
デザイナーにとっては『働きやすい』環境なのかもしれません。
加えて中国の自動車メーカーの歴史は長くありません。
守るべきヘリテージもないので、
デザイナーからすると、
『他人が考えたデザインを踏襲し、それを取り入れなければならない ＝ 自分の存在意義を主張できない』
欧州の歴史ある自動車メーカーより、
『これから自分たちでその伝統を作ってゆく』
ことにやり甲斐を感じるであろうことも間違いなさそうです。
よって、
中国に多くのデザイナーが活路を見出すのは
『カネ』
ではなく、
『中国のほうが自分のやりたいことができ、価値を発揮できる』
という理由があるのかもしれません。
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【本日の名言】『 武田信玄 / 甲斐の戦国武将 』
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負けまじき軍に負け、亡ぶまじき家の亡ぶるを、人みな天命と言う。
それがしに於いては天命とは思はず、みな仕様の悪しきが故と思うなり。
↓
他者に理由を求めず、己の力量に目を向けよといった内容ですね。
海外がどうかは分かりませんが、
日本においては謙虚さが大事であることは間違いないですね。
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