トヨタは終了してしまうのか?(後編)

EV業界におけるコスト戦略のトップを走っているのがテスラです。

テスラは

・共通化
・効率化

を掲げて構造や設計をシンプルにし、

・工程数
・使用パーツ

の数を減らし続けており、現在の車両原価は2017年に比較して『半分以下』となっています。

さらに、テスラはこれを半分にする計画を持っているとも言われています。

このレベルまでくると、トヨタやVWはついてこれない可能性が大です。

なので、2040年にVWがNo. 1になるという予測に対しては疑問があります。

テスラに対抗しうるのは内製率の高いBYD(中国)だとも考えています。

テスラ最大の武器はコストかもしれません。

そしてもうひとつ。

『技術』については、

『長くやっていればやっているほどノウハウが貯まる』

のが現実です。

要は、いち早くEVの実用化を行ったテスラ。

ガソリンエンジンを切り捨ててエレクトリックブランドに転身を図ったBYD。

この2社が製品改良のためにより多くの情報を集めていることは間違いありません。

トヨタと同じように、

『ガソリンだけがカーボンニュートラルに対する解決方法ではない』

と公言するBMWですら早い段階からEVの販売を行い、現在も新世代EVの発売に向けて動いてます。

BMWもやはり多くのノウハウを持ち、それを生かした製品づくりをしています。

そして、各社のEV研究が進むうちに新しい事実もどんどん発見されています。

(例)

『ワンペダルドライブによる回生ブレーキで電力を貯める』

これは、実際には航続距離の伸長につながらないそうな。

つまり、常識が覆されたということになります。

各社の出願する特許を見ても、これまでの『常識外』の技術が多数見られます。

そしてこういった技術は、

『実際にやってみないとわからない』

部分でもあります。

トヨタはEVに関する経験が少ないため、『EVに関する進化』が他社に比較して遅いという現状があります。

実際問題として、

・bZ4X
・レクサスRZ

については試買テストの結果が、悲惨な状況となっています。

①航続距離が短い
②充電時間が長い
③価格が高い

という三重苦を背負ったクルマとなっています。

現時点ではこれを解決できる方法が見当たっていないというのがトヨタの公式見解です。

解決の可能性があるとすれば新型プラットフォームを採用したEVが登場する『5年後』かなと考えています。

ただし、5年後となるとその間にも各企業が、

『実際にEVを販売し、そこから得たフィードバック』

を得て、さらに優れたEVを開発し投入している可能性が大です。

つまり、トヨタが他社をいかに追従したとしても、他社が追従スピードよりも速く先に行くのではと推測しています。

これが、

『2040年にはトヨタの販売が400万台、テスラは800万台』

という現実的な理由と根拠となりうるかなと考えます。

当然、最も危機感を抱いているのはトヨタです。

ただ、この期に及んでも、

『EVだけに注力するのは危険』

という発言が見られ、出足の遅さを取り戻せない状況にはありそうです。

このままだと、

VW:ガソリン車を捨てる覚悟を決めた
メルセデス・ベンツ:ガソリン車の工場をEV用にトランスフォームする

などを実行している他社には追いつくことができないのかなと。

トヨタ:退路をつくっている
VW、メルセデス:退路がない

他社は背水の陣で動いています。

EVに対する真剣さの違いが、結果の差となって出るのかなと感じます。

もちろん、トヨタの、

『なんとしても雇用を守らねばならないので、リスクヘッジは必要』

という考え方も理解できはします。

ここから代替燃料や水素の普及などのジョーカーが発動し、EVに未来を絞っていた他メーカーが潰れてゆく可能性も否定はできません。

とにかくこのままでは、トヨタが危ないということは間違いなく、状況を見守りたいと思います。
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【本日の名言】『 ピーター・ドラッカー / 経済学者 』

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意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。
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