ガソリンエンジンやディーゼルエンジンだけではなく、クルマの象徴的な部品までをも禁止しようとしている欧州連合（EU）。

今回はなんとメッキを禁止することを検討しているととのこと。

理由は、

「クロムメッキが作られる過程で放出される有毒化学物質を規制したい」

からだそうな。

なお、このクロームメッキというのは自動車になくてはならない加工です。

・グリル
・ヘッドライトハウジング
・ウインドウモール
・ドアハンドル
・前後ガーニッシュ

などなど、使用部位は多岐に渡り、多くの自動車メーカーではそのエンブレムにクロームメッキを使用しています。

幅広く見れば、チューナーやレストアを行うファクトリーなどもその業務に支障が出る可能性があります。

小さな禁止に見えて、実際には相当に広範囲に渡って影響が出そうです。

なお、クロムメッキに使用される六価クロムは発がん性物質です。

なので、しばしば肺がんにつながることで知られています。

その毒性はディーゼル車の排ガスの500倍もあるそうな。

ただし、現段階ではクロムメッキを安全に施工する方法が存在せず、その工程においては必ず有毒な化学物質を放出する模様。

クロムメッキは自動車業界以外にも、一般家庭用品（蛇口や照明器具）でも多く使用されています。

また、海洋産業や航空宇宙産業でも多用されている、

「非常に実用的な加工方法」

ではあります。

ただ、やはり有毒である以上は放置することもできず、EUとしてはこれを段階的に廃止したいという意向を持つもよう。

参考までに、今年初めにはカリフォルニア州でも同じ理由でクロムメッキの禁止を提案しています。

この提案はすでに5月に可決されています。

よって、クロムメッキを製造する企業は、毒性の低い3価クロムなどの代替物質を見つけなければならなくなっています。

（これがどの程度まで代替素材として利用できるのかはわからない）

なお、カリフォルニア州には110を超えるクロムメッキ工場があるといわれています。

代替品が見つからなければカリフォルニア州は深刻な経済的影響に直面することになると見られている模様。

比較的メッキが大好きな国民性で知られる日本にまで影響が及べば、他人事ではくなるかもしれません。

現在いくつかの自動車メーカーは「メッキを使用しない」方向へと動いてます。

トヨタだとリアのエンブレムにメッキを使用しないモデルが増加中。

現時点では六価クロムに変わる有力な代替素材はないとされます。

が、

「必要は発明の母」

ともいうので、そう遠くない未来にクロムメッキに変わる、何らかの手段が見つかるかもしれないと考えます。
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待っていれば何かが起こるかもしれないが、それは頑張った人の残り物だけである。
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