反撃の狼煙をあげるトヨタ

EVで出遅れているトヨタ。

現在使用している電気自動車専用プラットフォームであるE-TNGAでは、現在のEV市場を戦い抜くだけの価格的競争力を発揮できない。

として、これを使用したEVの開発計画を一旦白紙に戻しています。

そして、「まったく新しいEV」の開発を行うという計画を発表済みです。

新しいEVとそのプラットフォームを開発するに際し、

「現段階でもっとも進んでいるテスラ」

のモデルYを購入〜分解し、そしてそれを、

「芸術である」

と表現したことについても報じられています。

上述の通り、トヨタは今から新しいEVの開発を行うことになります。

が、その成果である新型EVが登場するのは現在の予定だと2026年あたり。

その間には様々なEVが登場することになるものと思われます。

トヨタとしては、そこまでの空白期間を少しでも小さくする必要があります。

よって、現在急ピッチにて新型EVの開発が進められていることは想像に難くありません。

今回、トヨタは明知工場にて、

約3分で車体の3分の1を作ることができる新しいギガキャスティング装置のプロトタイプ。

を披露しています。

つい先日、ギガキャストの導入に関する困難が報じられてきた為、トヨタがこの時点でプロトタイプを発表してきたことは驚くべき事実です。

いかにトヨタが真剣に且つ迅速に新世代EVへの対応を進めているかという証拠だともいえそうです。

このギガキャストは実際に記者団に対してデモンストレーションが行われたそうな。

その場では、

・溶融アルミニウム(700度)が注入
・250℃まで急速に冷却

した後、固化して車両シャシーの後部3分の1を構成する1つの部品へと成形される様子が示された模様。

こにれより、今までは、

「86個の部品から33の工程を経て何時間もかけて作られていたもの」

が、

「わずか3分」

且つ、一つの工程にて作ることが可能となっているそう。

トヨタは2030年までに年間350万台の電気自動車を販売するという目標を掲げています。

目標を達成するため、この技術を利用して、

・生産工程
・工場投資
・製造準備

にかかるリードタイムを半減させることを目指しています。

車体構造はこういった感じで「3分割」に。

そして開発費や工場投資が「1/2」にまで圧縮される予定であることについても言及しています。

なお、トヨタが最初のギガキャスティング試作機を完成させたのは2022年9月だそうな。

重い金型の交換に当初は丸1日が必要でだったそう。

これを、取り外す部品の数を最小限に抑える等の対応によって20分に短縮するなど改良を続けていています。

さらには、

「成形に最適な条件を分析する独自のソフトウェア」

によって競合他社よりも20%高い生産性の達成を目指していることについても触れています。

このギガキャストに加えて、

「もうひとつの戦略」

として紹介されたのが、

「自走式生産」

です。

これはEV生産に必要な「新しい設備」に対応することを目的としています。

工場スペースをより効率的に使用する必要性に対応するものだそう。

すでに導入が進んでいるトヨタ自動車の元町工場では、

無人搬送車が毎秒0.1メートルの速度で自走して製造や検査など各工程の間を行き来し車両を輸送している。

のだそうですが、これによって従来のベルトコンベヤーが不要になるため、工場のレイアウト変更も早くなり、投資額も削減できるとしています。

なお、ここまでトヨタがコスト削減に注力するのは、

EV全体のコストにおいてはバッテリー価格が大きなウエイトを占めており、これを引き下げることが難しい現在の状況では、それ以外の部分のコストを劇的に引き下げる必要があるから。

です。

そしてコストを劇的に引き下げるには、従来の製造方法を維持しつつ細かいコスト削減を、

「チリも積もれば」

的に進めたとしても効果を得にくいのも理由の一つです。

よってトヨタは今回のような、

「製造方法を根本から劇的に変える」

ことで製造原価を引き下げようとしているわけです。

実際、トヨタの生産本部長は、

「EV専業メーカーから新たな選択肢を学び、挑戦する」

とも語っており、組立時間を現在の約10時間から半減させることを計画していると述べていまふ。

ただし、テスラの上海工場ではなんと、

「1台あたり40秒で生産されている」

と報じられているため、トヨタがテスラをキャッチアップするにはまだまだ多くの課題が残っているのも事実です。

そしてトヨタとテスラとの大きな相違は、

テスラは限られた車種のみ(4車種)を共通の仕様にて大量生産し、製造工場についても新しい設備を持つ新しい工場を建設できる。

ものの、トヨタは、

多数のモデルを揃え、共通の仕様で生産することは難しく、かつ工場についても既存の設備を一部活用する必要がある。

また、破棄することと難しい。

という状態です。

よってトヨタがテスラの方式を取り入れたとしてもテスラに追いつくことは難しい状況です。

よってトヨタは「トヨタにしかできない」手法をもってコスト削減を行う必要があります。

もちろん、これを一番良く理解しているのがトヨタだと思われます。

実際問題、2022年ではトヨタが販売したEVは24,000台。

それに対してテスラは1,310,000万台を販売しています。

トヨタどうにかしてこの差を埋めねばなりません。

今後はこのギガキャスト以外にも様々な手段が公開されることになるのかもしれません。

ちなみにトヨタは、2026年には年間150万台のEVを販売することを目指しています。

このうち40%ほどが既存のE-TNGAを使用。

残りの60%が「ギガキャストを使用した新しいプラットフォーム」を用いることになると見られています。

2030年目標である「350万台」では、170万台にこの新しいプラットフォームが採用されることとなる模様。

一方でトヨタは、

「革新的なバッテリー技術」

を導入することも発表しています。

トヨタは、様々な手段を複合的に組み合わせて新興勢力に対応してゆくということになりそうです。
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