米国トヨタがローンやリースにて車両を販売する際、
「不正に消費者からお金をだまし取っていた」
として6000万ドルの和解金を支払うよう命じられたとの報道がなされています。
(現在の為替レートにて約89億円) 「世界で最も売れている自動車メーカー」
であるトヨタがこういった行為を働いていたというのは非常にショッキングな事実です。
簡単に説明すると、ローンを組む際に、
「本来は不要なパッケージ」
を勝手に組み込んで金額を吊り上げたり、それをキャンセルさせなかったり、キャンセルしても返金しなかったりというものです。
米消費者金融保護局(CFPB)のロヒト・チョプラ局長によれば、
↓
トヨタの融資部門は、返金を違法に保留し、不要なサービスを解約するために障壁を設け、信用情報を悪化させた。
アメリカ人の自動車ローン支払いの負担が増大していることを鑑みるに、我々は顧客を騙す大手自動車金融業者を引き続き追及してゆかねばならない。
↑
と述べています。
そこでこの「手口」を見てみます。
まずは「不要なオプションの販売」から。
このオプションは車両に取り付けるパーツではなく保険のようなものです。
たとえば、
・Guaranteed Asset Protection (GAP)
・Credit Life and Accidental Health (CLAH)
というものがあるのだそう。
前者だと、自動車が盗難や損傷にあった場合、消費者が自動車ローンで支払うべき金額と保険金の差額をカバーするものです。
後者は、顧客が死亡または身体障害者となった場合の残債をカバーするものだと説明されています。
そしてこれらオプションは「勝手に」支払総額の中に組み込まれているケースがあったそうな。
また、ディーラーが「必須」であるとウソをついて購入させ、消費者があとでそれが不要であると気づいてもキャンセル出来なかったり返金できなかったりしたとのこと。
米消費者金融保護局によると、消費者がこのオプションの組み込みで負担した費用は平均してローン1件につき700ドルから2500ドルにものぼりとのこと。
増加したローン額に対し、より多くの金融手数料を徴収することでトヨタの利益を増加させたとしています。
(ローン手数料は元金が増えれば増える仕組み)
次はキャンセルに関する問題です。
消費者がこのオプションをキャンセルしようとすると、キャンセルを思いとどまらせるべく、
「リテンション・ホットライン」
に誘導され、
「顧客が3回キャンセルを申し出るまで」
ホットラインの担当者が商品の宣伝を続けるという規則があったそう。
3回のキャンセルが申し出があってようやく顧客は書面を通じ解約を請求できるようになると報じられています。
(もともとキャンセルできる性格の商品であるようだ)
さらには「お金を返さない」という問題も報じられています。
トヨタはオプションがキャンセルされることで、
・月々の返済額を下げる
・顧客に返金する
代わりに、返金額をローンの元本に充当していたとされています。
この場合、返金されるのは、
「販売またはリース契約期間が終了したときのみ」
となり、トヨタとしては、
「現金の支出を極力避けていた」
ということになりそうです。
このほかにも、
・還付金の計算を本来とは異なる方法で(消費者が不利になるよう)計算していた
・リース期間が終了し顧客が車両を返却しても適切に処理しなかった
・虚偽の報告を行った
という例があったと報告されています。
なお、6,000万ドルの和解金のうち、3,200万ドルはオプション(バンドル商品)の返金を受けられなかった顧客に支払われる模様。
また、保険を解約しようとしたものの、うまくゆかなかった消費者には990万ドルが支払われるそう。
虚偽の情報操作によって影響を受けた消費者には600万ドル以上。
解約時に正確な返金を受けられなかった消費者には5万2000ドル。
残りの1200万ドルは民事罰だと報じられています。
ちなみ、本件は日系のメディアではほとんど報じられていないようです。
それは「忖度」の問題なのかもしれないと考えてみたり。
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悩み事は次の三段階の解決策によって克服することだ。
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