2019年5月にボストン郊外のバブソン・カレッジの卒業式で、
同校経営大学院の卒業生である豊田章男トヨタ自動車社長がスピーチを行っています。
なぜか日本ではあまり広く報道されていなかったのですが、海外やSNSでは大きな反響を生んでいました。
スピーチの雰囲気はざっくり言うと、
・偉ぶらないけれど含蓄のあるアドバイスがある。
・14分間まったく相手の心をそらさない構成。
・自然に話す技術
・シンプルで心に残るメッセージ
・人生の先輩から若者たちへの温かい激励
・笑わせ、ほろっとさせ、考えさせ、感動させ、最後にまた笑わせる
といったものが含まれたスピーチでした。
アメリカの大学の卒業式は5月〜6月に行われる為、屋外で開催することが多く、開放的の雰囲気です。
例えばコロンビア大学の卒業式では、
最後にキャンパスいっぱいにフランク・シナトラの「New York, New York」、
次にJay Zの「Empire State of Mind」がガンガン流れ、みんながそれを口ずさみながら退場するという演出がなされています。
アメリカという国、
・政治
・ビジネス
・教育
いずれにおいても
『 ショー 』
という側面が必ずあります。
卒業式も例外ではなく、エンターテイメントとして上手く演出されています。
最大の特徴が、
・政治家
・経営者
・ハリウッド俳優
・映画監督
・作家
・コメディアン
などの著名人がスピーカーとして招かれることです。
名門大学であれば相当な大物が招かれ、後にスピーチの内容が出版されたり、ポッドキャストになったりもします。
豊田社長のスピーチに話を戻すと、成功には主に4つのことが挙げられます。
・ユーモア
・ストーリー・テリング
・シンプルに刺さる言葉
・徹底的な練習
豊田社長のスピーチが日本人離れしているのは、一番はユーモアです。
聞き手のセンスや文化に合わせたジョークを周到に用意し、それらをかなりの頻度でマメに挿入しているのが印象的です。
『 アメリカ人はスピーチをジョークで始める。日本人はスピーチを謝罪で始める 』
というジョークがあるそうです。
そう言われるほど、
日本人とアメリカ人のスピーチにおける決定的な違いはユーモアの使い方が違うそうです。
笑いによって場を和ませ、聴衆の心を自分に引き寄せるという技があるそうなw
アメリカ人は、子どもの頃からこれを練習するそうですが、日本ではそんなことは練習しません。
豊田社長は、日本人には少ない『 ユーモア 』というカードを巧みに操っています。
人々が自身に抱いているであろうイメージを理解した上で、自分のキャラクターをネタに笑いをとっています。
多くのアメリカ人にとって豊田社長のイメージは、2010年に発生したアメリカでのトヨタ車リコール問題の際の姿です。
議会の公聴会で厳しい追及を受けるその姿はテレビ中継を通じて全米に流れています。
これは、日本でもニュースで流れていたので知っている人は多いはずです。
よって、
今回のスピーチでも、
『 真面目な会社の真面目な日本人の社長が真面目なスピーチをするんだろう 』
と思っていたと推測します。
なので、豊田社長のスピーチは、それすらも計算に入れて、良い意味で裏切ったのだろうなと考えます。
豊田章男社長のスピーチが聞いていて気持ちいいなと感じるのは、
こういった背景があるんだなというのが今回調べてみてよく理解できました。
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【本日の名言】『 アルバート・アインシュタイン / 理論物理学者 』
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昨日から学び、今日のために生きて、明日に希望を持て。
大切なのは、疑問を持つのをやめないことだ。
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それで本当にいいの?
なんでそうなるの?
それってどういうこと?
といったような、なぜ?なぜ?と疑問や興味を持つことは大事ですね。