自動車関連において、
超大手のボッシュは電気自動車の開発に際して様々な技術的な製品や技術を提供しています。
そのボッシュが、
ここ最近の世界的な様々な事象を鑑み、
『ひとつの方向性のみをゼロエミッションの解決策とすることは危険である』
とコメントしています。
コメントの趣旨は以下の通りです。
電気自動車のみをゼロエミッションの手段とすることは危険であること。
何らかの理由により、
電気自動車の普及が難しいとわかったとき、
自動車業界に大いなる危機が訪れるというものです。
一つの例として、『欧州の天然ガス不足』が挙げられます。
これは、
ひとつの燃料源に過度に依存することの危険性が表面化した事象です。
ロシアがウクライナに侵攻して以降、
ヨーロッパでは天然ガスの価格が高騰しています。
(日本には馴染みがない話)
ヨーロッパの大部分にガスを供給しているのがロシアです。
そのロシアが、
パイプライン(ノルドストリーム1)を閉鎖したため、この数週間で状況はさらに深刻になっているようです。
ロシアのガスプロム社は、
ガスパイプラインの『故障』による一時的な停止であり、ドイツへのガス供給を再開する予定だとコメントしています。
しかしその後、
同社は修理が行われる間はパイプラインを無期限に閉鎖すると発言を覆しています。
これはG7の様々な決定に対するロシアの報復措置だと考えられます。
これによってドイツでは、
以前もデイリー触れた様に、
『ガラスの製造ができない』
状態に陥っています。
結果、
ビール瓶が製造できなくなったり、
自動車のガラスが不足したりという問題が発生しています。
こういった現象は、
『ドイツがロシアの天然ガスに頼りすぎ、
その供給がストップされることで経済が大混乱に陥った』
ということを意味しています。
ボッシュのモビリティ部門責任者であるマルクス・ハイン氏が以下の様なコメントを出しています。
↓
我々は現在、
ドイツとヨーロッパのガス不足の影響を目の当たりにしている。
それは我々があまりにも少ない代替手段しか持たなかったからだ。
自動車業界ではこの機会に、
バッテリーセルがあまりにも少なくなった場合に何ができるかを自問自答すべきだと思う。
↑
これは
・バッテリー
・バッテリー資源
を支配している中国が、
もしバッテリーを他国の企業に供給しなくなった場合を想定しています。
(中国が世界最大のバッテリー供給国)
要は、
『自動車業界がクルマを生産できなくなる』
ということに言及しているのかなと。
米国では2023年1月以降、
電気自動車に対する税額控除制度が改正されます。
それは、
北米で生産された電池を搭載した自動車のみに税額控除が適用されることになり、これも脱中国に向けた動きの一つです。
ホンダは、
中国依存しすぎたことで発生した混乱を反省し、サプライチェーンの脱中国を発表しています。
今後各自動車メーカーや、
それ以外の中小企業などにも、
『様々なリスクに備えた』
動きが要求されることになりそうだと感じます。
参考までに、
一時期中国市場にて高級車販売が大きく伸びていました。
・フェラーリ
・ランボルギーニ
・ロールス・ロイス
は中国へと大きく販売を振り分けていました。
しかし、
その後一気に中国市場が縮小したために大きな痛手を負うことになっています。
(ロールス・ロイスの販売は1/3になった)
これ以降、
世界をいくつかのセクションに分割し、
バランス良く販売し成長させることでリスクを分散させています。
ボッシュに話を戻すと、
同社は昨年にも各国政府が内燃機関の消滅に注力していることを、
『近視眼的』
だと批判しており、
20~30年間は内燃機関技術への投資を続けるだろうというコメントも残しています。
幅広い視野、
先を見通す能力、
情報収集能力が要求される為、
更にシビアな世の中に移行していっているなと感じますね。
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【本日の名言】『 マーク・トゥエイン / 作家 』
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真実は小説より奇なり。
↓
マーク・トウェインの名言の中で最も有名な名言です。
真実は小説のように決まったストーリー展開がありません。
突如として、
悪い出来事が起きるかもしれないし、
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誰にも予測できないからこそ人生は面白いといった意味合いです。
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