先日、
環境NGO『Transport & Environment』が発表した調査結果が衝撃的だとして話題になっています。
EUでは、
2023年から新しい新しい財務情報開示ルールが導入されるとのこと。
その内容の一つに、
『自社製品の生涯CO2排出量の開示』
という項目があるそうな。
そして、
『自社製品の生涯CO2排出量』
については、
現時点でも各自動車メーカーは提出している様です。
ただし、
この環境NGOによれば、
それら数値は実際よりも少なく報告されているとのこと。
平均すると、
『実際は報告値よりは少なくとも50%は多いはず』
と指摘しています。
同団体によると、
自動車メーカーの製品は、
一旦生産されれば寿命が尽きるまで環境を汚染し続けると定義しています。
そしてこの自動車メーカーが設定している製品寿命が、
『短すぎる』
とのことで、
環境配慮に対する真っ向からの挑戦だとコメントしています。
例にあげるとトヨタは
『トヨタ車の数値は製品寿命を10万キロだと想定』
しています。
つまりトヨタは、
『製品を生産した後、10万キロを走行したら寿命を終える』
という想定のもと、
その数値を生産台数に準じたデータを提出したということになります。
しかし実際は、
もっとトヨタ車の寿命は長いと指摘されていてます。
耐久性の高さが裏目に出ていますね。
なので、
『現実世界におけるの生涯CO2は、トヨタの出した報告書より69%多いはずだ』
と非難されていることになります。
ただしトヨタは『まだマシ』なほうで、
【実際の数値より高い】
・ヒョンデ+キア:+116%
・BMW:+81%
【トヨタより数値が低い】
・メルセデス・ベンツ:+62%
・ルノー・日産・三菱:+61%
・フォルクスワーゲン:+58%。
というデータが開示されています。
また、
この環境団体は、
『グリーン投資』
という観点から、
1ユーロあたりの投資につき、
その企業の環境汚染度合いという指数を算出しています。
要は、
クリーンな企業に投資をしようということなのだと思われます、
が、
しかし自動車メーカーに関するこの数値は、
『石油メジャーに相当するほど最悪だ』
とも述べています。
平均値で言うと、
・石油メジャー=1ユーロあたり5,000トンのCO2を排出
・自動車メーカー=1ユーロあたり4,500トンのCO2を排出
しているそうです。
これは、
自動車メーカーによっても差があります。
最も多くのCO2を排出しているのは
・ルノー・日産・三菱=約1万トン
・ホンダ=約7,000トン
・フォード=約6,800トン
・フォルクスワーゲン=約4,500トン
・ステランティス=約3,600トン
・ヒョンデ・キア=約3,300トン
・メルセデス・ベンツ=約2,200トン
・トヨタイコール約1,900トン
・BMW=約1,800トン
という試算が出ています。
ステランティスよりも上の自動車メーカーは、BP、シェル、エクソンといった石油メジャーよりもCO2排出量が多い結果になっています。
これを見ると、
トヨタとBMW、ヒョンデ・キアは、
『製品の生涯CO2排出量にサバを読んでいた』
ものの、
1ユーロあたりのグリーン度はけっこう低いと考えてよいかなと。
逆に、
ルノー・日産・三菱は、
『サバを読んでいた上に1ユーロあたりのCO2排出量が非常に多い』
ということに。
この数値が、
いったいどういったところに影響するかというと、
『倫理的な投資観を持つ人々に対して、自動車メーカーへの投資をためらわせる』
ことになります。
さらに言うと、
自動車会社や石油メジャーの株式を金融商品に組み込んでいる金融企業も、
『グリーンではない』
という判断をされることになり、
大手になればそういった評価がなされないよう、石油メジャーや自動車メーカーに投資しなくなる可能性が発生します。
(それによって石油メジャーや自動車メーカーに資金を回らないようにするというのが環境団体の狙いです)
ただし、
こういった環境団体の示す数値の
・正確性
・信憑性
・影響力
について盲信することは危ないなとも感じます。
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