代表権のある取締役会長 豊田章男氏

アドバイザリーサービスを行う企業のグラスルイスが、トヨタ自動車の株主に対して、

「トヨタの取締役会が十分に独立していない」

との懸念から、豊田章男会長の取締役再任に反対する投票を提案する事態となっている模様。

トヨタ自動車の社長は豊田章男氏から佐藤恒治氏へと交代してはいます。

が、その内容を見てみると、佐藤恒治新社長には代表権が付与されていません。

豊田章男新会長はというと、社長の座を退いたといえど、

「代表権のある取締役会長」

へと就任しています。

つまり、体制が変われど豊田章男氏の影響力は依然として強いと考えるのが妥当です。

じゃあ何故、社長を交代したのか?

それは、

「株主からの批判をかわすため」

だと考えています。

トヨタは独自の信念をもってハイブリッドカーを中心とした展開を行っています。

これが、

「EVに対して積極的ではない」

と捉えられてしまっています。

環境団体からは激しいバッシングを受け、トヨタの株主からは「他社に遅れを取ってしまう」という指摘を受けているほどです。

そして、これらの矛先はすべて、「豊田章男前社長(現会長)個人」へと向けられています。

これはよくも悪くも、豊田章男氏の発言力と影響力が強かったからだと思われます。

そしてこういった状況を鑑み、トヨタを守るという意味で豊田章男氏は「社長から会長」に退いたんじゃないかというのが個人的な推測です。

実際には、豊田章男氏は代表権を継続して保有しています。

佐藤恒治新社長も新体制説明会においては豊田章男前社長の意思を引き継ぐ旨の発言を前面に押し出しています。

豊田章男前社長がよく口にしていた「クルマ屋」という表現も複数回に渡って使用しているぐらいです。

さらには、佐藤恒治新社長ならではの新しい方針が明確に打ち出されたわけでもありません。

こういった状況が投資家にとって、

「何も変わっていない」

と映ったと考えても不思議はありません。

今回、グラスルイスが指摘しているのは、

トヨタの現在の取締役候補者10名のうち、独立性があると考えられるのはわずか3名のみであること。

これはグラスルイスが推奨する、

「取締役の少なくとも3分の1が独立している」

という条件に満たしていない。

日本のコーポレートガバナンス・コードでも、上場企業では取締役会の独立性を3分の1と定めている内容に反する。

ということになるらしいです。

更にさらに、グラスルイスは最近の報告書で、

我々の見解では、取締役会は十分な数の独立取締役を擁しておらず、その客観性、独立性、適切な監督を行う能力について深刻な懸念を抱かせます。

よって、我々は、豊田章男氏の役員選任に反対票を投票することをお勧めします。

とも述べています。

トヨタは日本を代表する企業ですが、実はかなり深刻な事態なのかもしれないと考えてみたりする今日この頃です。
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会議の長さは出席者数の二乗に比例し、会議の成果は出席者数の二乗に反比例する。
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