先週、金曜日の投稿の続編です。
フェラーリはもともとフィアットの出資を受けていました。
1960年代からしばらくは、
「フィアット・クライスラー・オートモビルズ(現ステランティス)」
傘下にあり、2014年にはニューヨーク証券取引所へと記念すべきIPO(新規株式上場)を行っています。
この時点では、一般向けに売り出された株式は発行済株式の10%のみです。
他の10%はエンツォ・フェラーリからの譲渡にて、エンツォ・フェラーリの実子であるピエロ・フェラーリが所有しています。
残りの80%がフィアット・クライスラー・オートモビルズ保有のまま、ただし一部は主要株主に分配されることになっています。
よって上場したとはいえ、実質的にはフィアット・クライスラー・オートモビルズの支配下にあったわけです。
2016年には同グループが、自身の持つ株式の多くを自由市場へと放出することで、フェラーリは50年ぶりに「自由」を得ています。
ただし、2023年2月時点での筆頭株主は24.4%を保有するエクソール(Exor N.V.)です。
これはフィアット創業者一族の経営するオランダの持ち株会社。
つまり、同グループの手を離れたといえど、いぜんフィアット創業者一族の支配下にあることは間違いありません。
これは、フェラーリの現会長がフィアット創業者一族であるジョン・エルカーンであることからもわかります。
ただ、フィアットが最初にフェラーリに出資したとき同様、フィアットはフェラーリに対して
「お金は出すが、口は出さない」
という理想的なパトロンでもあります。
現在のフェラーリは自由に、そして独立性と迅速な経営判断をもって運営を行うことができているということになります。
現在フェラーリは継続してその業績を伸ばしており、2022年には13,221台という記録を達成しています。
少し前には、かつての親会社(現ステランティス)の時価総額を追い越すことにも。
今後の展開としてわかっているのは、まずマセラティへのエンジン供給を終了させることだそうな。
(3.8リッターV8ツインターボ)
これはマセラティが自社開発の3リッターV6「ネットゥーノ」の採用に絞ることが理由です。
そして、これもまたフェラーリの独立性を示す一つの事例かなと考えます。
(以前はフェラーリとマセラティが同じグループ内にあったが、今はそうではない)
加えて、このマセラティの新型V6エンジンとフェラーリのV6エンジンとの関係性がないことも強調されています。
(基本設計がそもそも異なるのだそう)
そして、今年はあと3つのニューモデルが発表される予定とのこと。
現在の予定では、2026年までに、
・純ガソリンエンジン搭載モデル=40%
・ハイブリッド=55%
・EV=5%
2030年には、
・ガソリン車=20%
・ハイブリッド=40%
・EV=40%
という比率を計画している模様。
ただし、この計画についてもベネデット・ビーニャCEOは、
「大きな柔軟性を保ちたい」
とコメントしており、社会情勢等にあわせて計画の変更があることも示唆しています。
テスラに端を発し、中国によって大きくクルマ業界が変化している昨今。
フェラーリというブランドが,どの様に立ち位置を確立していくのかを注目してみていきたいと思います。
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