EV市場については、
・人気が高くEVが足りない
・EVの在庫が積み上がっている
といった具合に、それぞれ真逆の報道がなされています。
いったいどちらが正しいのか?
最新の報道だと、「ある意味で両方とも正しい」のだそうな。
今年7月には、EVは内燃機関自動車よりも長くディーラーに置かれているという調査結果が発表されています。
現在では平均値を遥かに上回る100日以上放置されているとの報告もあるほどです。
しかし、需要が冷え込んでいるのかというと、
「そう単純に判断できることではない」
のだそう。
最新の統計によると、北米市場において、今年販売されたEV車は、
「販売可能な在庫の6.7%に過ぎなかった」
とされています。
消費者はEVを求めているものの、販売現場が追いつていない可能性があるとされています。
JDパワーのデータ&アナリティクス担当副社長、タイソン・ジョミニー氏は、
「EVの需要が鈍化しているという話は明らかに誤りだ」
と指摘しています。
そしてこの「数字と現実の乖離」については次の様に説明しています。
まず、パンデミックによって供給指標が軒並み異常な様相を呈しているのだそう。
ちなみに現在のサプライチェーンの逼迫は解消されています。
これを受けて、メーカー各社が以前のようなペースで自動車を生産できるようになったこと。
EVの生産が急拡大していることが大きな原因の一つなっている模様。
さらには新車発売時によくある、
「そのクルマが周知されていないため」
による販売台数の少なさに対し、自動車メーカー側が急激に生産を拡大させていることが供給台数の増加と在庫拡大を招いているそうな。
自動車メーカー側はEVを売らねばと考えてたくさん生産します。
ただ、消費者は漠然と「EVが欲しい」と考えながらもどういった選択肢があるのかについて十分な情報を得ていない状況が発生。
ここにひとつのミスマッチが起きていると考えられています。
(一時期に比べて多数のEVが登場しており、新型EVの情報が消費者に届いてない可能性大)
そしてもうひとつの要素。
生産したEVがディーラーへと「輸送中」である場合も在庫にカウントされている模様。
要は生産が終了した瞬間から在庫として計上されているそうな。
なので、大量に製造されたEVがディーラーへと輸送中だとしても在庫日数にカウントされているのが現状のようです。
つまり、急速に増えた生産に対して、輸送や販売が追いつかない現象が発生しています。
そのため、
「生産に対する販売台数が少ない」
ため、EVの人気がないように見えているのだそうな。
これは風上と風下とのバランスが一時的に崩れているだけであり、
「必ずしもEVの人気がなくなったわけではない」
というのがアナリストの意見です。
とはいえ、まだまだEVの普及に壁があるのも間違いありません。
たとえばフォードF-150ライトニングは発表当初大きな話題を呼び、非常に大きな需要があったとされています。
しかしそれが落ち着いた今、
「F-150の購入者の多くがEV版のライトニングではなく、ガソリンエンジンモデルを購入している」
とも言われています。
前出のアナリスト曰く、
↓
我々はEV時代の黎明期にいる。
EVの普及が進む段階においては、需要が突如止まったり、また始まったりすることもあるでしょう。
2030年までにすべての人がEVに乗るようになるという考えは正確ではないということに多くの人が気づき始めていますが、EVが自動車業界で大きな力を持つようになることは明らかです。
↑
つまり、まだまだEVはアーリーアダプターの乗り物の範囲に留まっているということになります。
そして、もしかするとレイトマジョリティまでには普及が進まないかもしれないという考え方が示されています。
なお、アーリーアダプターとは「イノベーター理論」における消費行動タイプのひとつです。
「新しいものを積極的に取り入れる傾向がある人々で、消費者全体の13.5%存在する」
と言われていますり
そしてこのアーリーアダプターよりも早く新しい製品に飛びつくのは、
「イノベーター(全体の2.5%)」
そしてアーリーアダプターの後に新しい製品を受け入れるのは、
「アーリーマジョリティ(34%)」
で、これらの人々は平均より積極的に新しい製品に馴染もうとする人々です。
そしてこの後、その製品が広く浸透してからようやく手を出す人々が
「レイトマジョリティ(34%)」
です。
最後まで新しいものに否定的で拒否反応を示す人々が、
「ラガード層(16%)」
となり、これらの人々は最後までEVへの移行を拒む人々なのかもしれません。
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【本日の名言】『 ダレル・ロイヤル / NFLコーチ 』
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フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度、屈辱を味わわされるだろう。
打ちのめされたことがない選手など存在しない。
ただ、一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうとする。
並みの選手は少しばかり立ち上がるのが遅い。
そして、敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである
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