Mozillaの調査で分かった 個人情報に対してルーズな自動車業界の闇

アメリカのMozillaが行った調査にて、

自動車業界は、顧客のプライバシーに関して非常に低いモラルを持ち、収集した顧客の情報を簡単に販売したり開示している。

という発表を行いました。

同社はユーザーの個人データがどの程度安全であるかを確認や調査を行っている非営利団体です。

主な目的はユーザーとユーザーのデータを安全に保つことなのだそう。

この調査では自動車メーカーが、

・どれだけの情報を収集ているか
・どのように使用しているか
・個人データをどの程度管理できているか

について詳しく解説していますが、その内容がある意味では「かなり」衝撃的です。

調査対象となったのは、

・BMW
・スバル
・ジープ
・ダッジ
・フォルクスワーゲン
・トヨタ
・フォード
・アウディ
・ホンダ
・シボレー
・キャデラック
・テスラ

などのメジャーな25ブランドです。

データの収集方法は主に「インフォテイメントシステム」から。

ここから収集している情報は、

「聞いている音楽、受信したメールやメッセージ、SNSへの投稿」

など、どんなことでもメーカーは収集している模様。

たとえば日産には、受信したメールを読み上げるという機能がありました。

この内容すらも解析に対象としており、たとえば

「いつ恋人とデートするか」

という情報まで把握しているのだそうな。

これは日産とキアに顕著な傾向でもあるそう。

さらには、

「ハイ、メルセデス」

と話しかけて色々検索したり、目的地を入力した内容などもすべて記録されているとのこと。

最新のMBUX(インフォテイメントシステム)では、

「個人の様々な嗜好」

までをも把握して提案を行ってくれる親切機能がありますが、そういったデータもすべてストックされているということになりそうです。

加えて25社のうち6社が、

「遺伝情報を収集している」

と回答しており、これは「指紋」や「顔認証」経由で得た情報なのかなと推測します。

そして恐ろしいのは、自動車メーカーはこういった個人情報に対して非常にルーズであることです。

Mozillaによれば、

「全業界中で最悪のモラル」

なのだそう。

どれくらいモラルが低いのか?

自動車業界の84%が収集したデータを自身のマーケティングや調査に使用するだけでなく、個人データを共有しているそうな。

たとえば、サービスプロバイダーやデータブローカーと共有していることが明らかになっています。

ちなみに、自動車メーカー25社のうち、76%はデータの販売が法的に許可されていると回答しています。

56%は裁判所命令なしに個人情報を法執行機関と共有すると回答しています。

つまり、何かあれば法的な要請がなくともホイホイと情報が渡されてしまうということを意味しています。

アメリカのカーブランドの100%はユーザーにデータへの制御やアクセスを与えていません。

自動車メーカーにデータの削除を強制することもできない模様。

消費者はどんなデータをどうやって収集しているのかも知らされず、知ったとしてもそれを削除する依頼すら行えないということになります。

こういった事実を見るに、恐ろしいとしか言いようがありません。

1990年代以降のクルマは多かれ少なかれこういった個人情報を収集する機能を保有している
模様。

すでに我々の個人情報は、

「いたるところに」

バラまかれてしまっているのかも。

気にしなければ、知らなければなんともない話ではあります。

が、知ってしまうと、なんとなく気持ち悪いなとも感じます。

何事も、キチンと理解した上で利用するのが大事だなと思う今日この頃です。
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【本日の名言】『 イーロン・マスク / テスラ創業者 』

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重要なのは、その人が誠実な心を持っているかどうかだ。

頭が良ければ良いと考えたこともあったが、間違っていた。
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