米国史上初 3大自動車メーカー同時ストライキ

現在、

・ゼネラル・モーターズ
・フォード
・ステランティス

に対する全米自動車労組(UAW)12,700人のストライキ勃発しています。

(現在は2週目)

今回のストライキは初めてづくしだそうな。

①UAWの88年の歴史で初めて、アメリカ3大自動車メーカーに対して同時にストライキが行われたこと。

②バイデン大統領が現職のアメリカ大統領としてはじめてストライキの現場を訪問したこと。

こういったこともあり、大きな話題に。

ストライキに先駆け、UAWとビッグスリーの自動車メーカーは、2019年に締結された4年契約の延長をめぐって協議を続けていた模様。

「最大20%」

という過去最高額の昇給が提案されたにもかかわらず、UAWは新契約への署名を拒否。

UAWのショーン・フェイン会長がビッグスリーに対して、

「正義の戦い」

として宣戦布告を行ったのが今回のストライキの発端です。

※UAWの賃上げ要求は当初40%で、現在は36%に引き下げられている。

「スタンド・アップ・ストライキ」

と呼ばれるこのストライキは、

・ミシガン州
・オハイオ州
・ミズーリ州

にある、

・フォード
・ゼネラルモーターズ
・ステランティス

の特定の工場を対象として行われている模様。

これによって、

・フォード ブロンコ
・ジープ ラングラー
・シボレー コロラド

といった需要の高い車の生産に影響が出ているそうな。

ゼネラル・モーターズとステランティスについては、ストライキ開始数分後に以下の公式発表を行っており、まさに全面戦争といった局面に突入しています。

GMが歴史的な賃上げと製造公約を含む前例のない経済パッケージをテーブルに載せたにもかかわらず、UAW指導部の取った(ストライキという)行動には失望している。

UAW従業員とその家族、そして我々の顧客にとって最善の利益となる公正な合意に達するための責任ある行動をUAW指導部が拒否したのだ。

加えてフォードは、

「UAWの要求は同社の人件費を2倍以上に引き上げることになる」

とコメント。

「すでにフォードの支払う賃金はテスラやトヨタ、その他労働組合を持たない海外の自動車メーカーよりもかなり高い水準にある」

とも語っています。

これに対してUAWのショーン・フェイン会長は、

まず第一に、人件費は車両コストの約5パーセントです。

私たちの賃金を2倍にしても、車両価格を上げなくても、何十億もの利益を上げることができる。

と主張し、双方の意見が真っ向から対立した状態が続いています。

そしてこの状況にテスラCEO、イーロン・マスク氏が自身の見解をXにて述べています。

それによると、

「組合の要求は3社を倒産に追い込む確実な方法だ」

とのこと。

組合の要求をのむことで利益が圧迫され、ビッグスリーは厳しい競争を生き残ることができないだろうと述べています。

ちなみにテスラは組合を持たないので、今回の労使紛争については「蚊帳の外」にあります。

(通常通り工場も稼働している)

ただしUAWのショーン・フェイン会長はテスラについても言及しています。

最近放送されたCBSの番組、

「Face the Nation」

の中で、イーロン・マスクCEOを「貪欲」だと非難しています。

同じく番組に出演していたデビー・ディンゲル下院議員(民主党)も、EVメーカーが従業員に支払っている賃金に 、

「大きな矛盾 」

があるとして、以下の様にテスラを攻撃している模様。

テスラは従業員への給与に大きな格差がある。

この国のほとんどの人はテスラを買う余裕がない。

多くの幹部でさえ、テスラを買う余裕がないのです。

とコメントしています。

本来無関係のテスラが話題に登ること自体、テスラの影響力を示す事例になっているとも言えそうです。

そして上述の通り、今回のストライキは現職の大統領が訪問し、「参加」したというUAW史上初のストライキともなっています。

結果、自動車業界を超えて政治的にも大きな意味を持つに至っています。

バイデン氏はストライキの最前線へと参加し、拡声器を使用して以下の通り激励しています。

これがまたストライキを長引かせている1つの要因ともなっている模様。

(UAWとしては「大統領の支持を得ている」と認識しているはず)

これによってビッグスリーはUAWの要求をある程度のまざるを得なくなる可能性があります。

となると収益性も下がり、結果的に良い結果を産まない気がしなくもないです。

以下、バイデン大統領のスピーチ。

UAWの皆さん、あなたたちは2008年とそれ以前に自動車業界を救ってくれたました。

企業が苦境に陥ったとき、あなたがたは多くの犠牲を払い、多くのことを諦めました。

しかし今、彼らは信じられないほどうまくいっているのです。

それでどうですか?

あなたがたも信じられないほどうまくやっているはずです。

なお、UAWの要求は、

・90日以内に36%の賃上げを行うこと
・労働者のさまざまな階層の撤廃(自分たちの仕事が奪われるから)
・通常賃金が低い臨時労働者の削減
・確定給付年金の復活
・週32時間労働提案を含む労働者の休暇の増加

といった具合です。

現状、自動車メーカー側は

・4年間で20%の賃金引き上げ
・休暇の追加

等を提案しているものの、まだまだ両者の主張には乖離が大きく、交渉が長引くこととなる気配が濃厚です。

https://www.youtube.com/live/PxGIUPp-V6E?si=mf9KGCiym28ojd2i

(36分50秒あたりから大統領スピーチ)
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【本日の名言】『 リンドン・ジョンソン / 第36代アメリカ大統領 』

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昨日は取り戻せないけれど、明日勝つか負けるか自分次第だ
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