調査会社であるケリガン・アドバイザーズが、
「自動車ディーラー650拠点」
に対して調査を行い、
「自分たちが扱っているブランドをどれくらい信頼しているか」
という統計を発表しました。 これによると、もっともディーラーから信頼されているのはトヨタでした。
逆にもっとも自社ディーラーから信頼されていないのはフォードということが白日の元に晒されています。
フォードにとっては耳が痛い結果かもしれませんが、ここでその内容を見ていきます。
今回の統計において、フォードのディーラーが「不満」であるとしたのはEV戦略でした。
あまりに急過ぎるEV戦略に対しディーラーが反発していると説明されています。
その反発の理由までに言及されていないものの、これまでに聞く範囲だと以下の通り。
↓
ディーラーがEVを売りたくないのは、
・EVを販売するために充電器を設置する必要がある
・ピットのリフトをEV対応のハイパワーバージョンにアップグレードする必要がある
・メカニックがEVの修理に対応できるよう研修を受けさせる必要がある
といった具合にやたらと出費がかさむから。
↑
だそうな。
一方でEVはそれほど台数が出るわけでもないために収益が圧迫されます。
さらにEVの供給が不安定ということもあり、
「受注したはいいものの、メーカー側がEVを回してくれない」
ので納車ができないといった声も聞かれます。
よって、フォード含めアメリカ車のディーラーは自社のEVを売ることに反対しているという声も大きい模様。
一方で自動車メーカー側としてはEVを売ってもらわねばEV化が進まないため、
「EVを売らないのであればディーラーとしての権利を剥奪する」
といった荒療治に出るケースもある模様。
ちなみに、
「そのブランドのディーラーが、自社(本社)を信用しないランキング」
は上述の通りトップがフォードです。
1位:フォード
2位:日産
3位:リンカーン
4位:ステランティス
5位:インフィニティ
といった具合にワーストメーカーが続きます。
一方でトヨタはディーラーから、
「もっとも信頼される自動車メーカー」
に輝いています。
1位:トヨタ
2位:レクサス
3位:スバル
4位:ホンダ
5位:ポルシェ
その理由の中でももっとも大きな要素は、
「電動化がゆっくりだから」
というものです。
これは「フォードが信頼されない」のと全く逆と現象です。
加えてトヨタは、
「ピュアエレクトリックカーはそもそも顧客が求めるものではない」
としており、より顧客に支持されるハイブリッドの生産を拡大しています。
こういった、
「市場を無視して無理に電動化を進めるのではなく、消費者に寄り添った速度にて電動化を進行させる」
トヨタの方針に共感するディーラーが多かったのかも。
そのほか、ディーラーを信頼するかどうかで分かれたのは
「そのブランドの将来性」
です。
そのブランドの将来が暗いとなればディーラーは期待値を下げます。
また、在庫が増加してくれば、さらに期待値が下がってくることになるわけですね。
(販売するように圧力をかけられる可能性が高くなるため)
これらに加えて「インセンティブ」も主な判断要素だとされています。
このインセンティブというのは「販売奨励金」のようなものです。
「1台売ればナンボ」
といった具合にディーラーへと支給されることになります。
この信頼性調査を見る限り、トヨタはけっこう高い額を支払っており、一方のフォードはそうでもない額なのかもしれません。
もしくは、フォードは「EVを売れ」とディーラーに強要して充電施設などの設備投資を迫っているのは上述の通り。
一方でEVは利益率が低い(むしろマイナス)ため、インセンティブも非常に低い可能性が高いです。
よって、ディーラーにとってはなんら得にならないことを押し付けてくるといった図式が出来上がってしまっている可能性が高いのが現状の様です。
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【本日の名言】『 ソクラテス / 哲学者 』
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人間に関することに安定などないことを忘れてはならない。
それゆえに、繁栄している時には過度の喜びを避け、逆境にある時には過度の落ち込みを避けなさい。
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