・もっとも環境に優しくない自動車メーカー
・カーボンフリーを謳いながらも排ガスを多く出すクルマを作り続ける二枚舌企業
として環境団体から激しく叩かれるのがトヨタです。
今回、さらに環境活動家の標的になりそうなのが
『EVの方がよっぽど環境に悪いというデータを見つけた』
というコメントと共に独自の理論を展開したことです。
今回トヨタが主張するのは、
『トヨタの立場を悪化させるかもしれない過激思想』
かもしれない内容です。
要約するとこんな感じ。
EV一辺倒は
①環境にも悪い可能性がある
②ビジネス上の判断として間違っている
となっています。
①については、これまでに何度か記載してきました。
・EVは生産〜廃棄までのCO2排出量が多い
・リチウムバッテリーの資源に限りがある
これも確かに一理はあります。
ただし、これはトヨタの『杞憂』で終わる可能性もあります。
以前、自動車黎明期に展開された『杞憂』があります。
『このまま石油が消費され続ければ、2000年代はじめにはガソリンが枯渇する』
というものです。
ただし、残念ながら今でも石油は余っています。
これには、以下の理由が挙げられます。
・シェールオイル等の様々な採掘方法が開発されたこと
・油田開発が進んだこと
・石油の代替素材の活用が進んだこと
・自動車の燃費が良くなったこと
これ以外にも、
『中国全土にマクドナルドができれば、牛が食べ尽くされる』
という試算も大真面目に出ていた時期がありました。
(20年ほど前の、中国が発展する前の話)
これも残念ながら、中国の至る所にマクドナルドがありつつも、食肉牛が絶滅するという話は耳にしません。
要は、その消費量を賄うだけの畜産技術が出来たということになります。
なので、バッテリー資源についても同じことになるのではと考えています。
『お金になる』
となれば、リチウム鉱山の開発がどんどん進むと考えています。
また一方で、
・代替リチウム
・リチウムを使用しないバッテリー
が実用化すれば、これまた企業に巨万の富を手に入ります。
なので、各企業で開発がされていくとも考えています。
こういったことからも、予想通りの未来がやってくるわけではない可能性が高いです。
なのだ、トヨタの『EVは環境に良くない論』は『杞憂に終わる』のではと考えています。
続いて②の要素について。
個人的には、
『EVシフトは経営的、世界経済的に間違っているかも』
という風に思ってみたり。
理由は中国自動車(EV)メーカーの台頭です。
日米欧の自動車メーカーはおそらくこれに勝てない可能性が大です。
・技術
・価格
・生産能力
上記の点において中国の自動車メーカーより優れたEVを作ることは難しい状況です。
これに勝つことができるのは、
・ブランド力
・特定ジャンル(スポーツやオフロードなり)
に特化した『パフォーマンス』部分だけになるかもしれません。
もし、そうだとすると、
・トヨタ
・フォルクスワーゲン
・ホンダ
・日産
といった『普及価格帯のクルマ』を作っている会社が、仮に全ラインアップをEVに置き換えたとします。
すると、中国製のEVにそのシェアの多くを食われて経営危機に陥る可能性があります。
なので、『EV以外』の生き残り手段が必要になります。
そういった意味では、トヨタの
・EVに及び腰
・マルチパワートレイン戦略
は、中国製EVの侵略に対するリスクヘッジだったのかなと考えたりもします。
仮にトヨタ以外上述の量産車メーカーが淘汰されても、EVシフトに及び腰のトヨタが生き残るかもという気もしなくはないです。
※参考
現在の『自動車市場No.1』は中国です。
しかも2位のアメリカに倍ほどの差をつけるという『ブッチギリ』な状態です。
そして多くの自動車メーカーが中国市場に頼っているという現状でもあります。
ただし、中国市場では日増しに中国車のシェアが高まっています。
遠くない将来、中国における普及価格帯の自動車については、
『中国車しか売れない時代』
が来るかなと感じます。
そうなると日米欧の自動車メーカーは売り上げの1/3になります。
場合によっては40%以上を失う可能性もあります。
こうなるともう会社を維持することが困難になります。
さらに北米や欧州、新興市場において中国車にシェアを奪われるも存在意義を失います。
そして様々な情報を見ている限りでは笑っていられない状況だなとも思う今日この頃です。
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【本日の名言】『 豊田喜一郎 / トヨタ創業者 』
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もちろん、人のやったものをそのまま輸入する必要もありますが、何と云っても、苦心してそこまでもって行った者には尚それをよりよく進歩させる力があります。
人のものをそのまま受け継いだものには、楽をしてそれだけの知識を得ただけに、さらに進んで進歩させる力や迫力には欠けるものであります。
日本の真の工業の独立をはからんとすれば、この迫力を養わなければなりません。
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トヨタ自動車らしい思考法だなと感じる言葉ですね。
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